【詩】 敗北凱旋歌


狭間に落ちる愚直さを
彼らは馬鹿にし、笑うでしょう
狭間に落ちる未来の種を
彼らは嘲り、笑うでしょう

北風強く吹き荒ぶ
デッカいラウド・スピーカー
勝利・正義の狂騒曲が
朝昼晩と、鳴り響く

大音量の切り貼り文句
彼の鼓膜と彼女の心
なす術もなく破壊され
ヒューヒュー風が吹き過ぎます

虚ろな目をした好青年
ハイ、僕、善人です、実は
いま正常を保つには
ギブ・アップしかないのです

狭間に落ちる愚直さを
彼らは馬鹿にし、笑うでしょう
狭間に落ちる未来の種を
彼らは嘲り、笑うでしょう

大きな壁の真ん前に
ただ力なくゆらゆらと
風に吹かれる一輪の花
彼らは嘲り、笑うでしょう

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