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”派遣前研修”って具体的に何するの!?【日本語パートナーズ】

日本語パートナーズを目指される方や、選考に受かったばかりの方の多くが思う疑問、それが「派遣前研修っていったい何…?」というものだと思います。

約1か月間派遣に備えた研修をする、ということだけは何となくわかりますが、それが実際どういう内容なのかが割と直前になるまでわからないので、実際私もいろいろ不安が大きかったです。

そもそも、「1か月まるまる予定を確保する」ということ自体が、学生にとっても社会人にとっても結構ハードルが高くて、これが原因で日本語パートナーズをあきらめたり応募を悩んだりする人も一定数いるんじゃなかろうか…と思っているわけですが。

しかも厄介(?)なのが、派遣直前じゃなくて派遣数か月前に実施するということなんですよね。

例えば社会人だったら、うまく休みが取れない場合、この研修に合わせて派遣の数か月前に退職しなければならない可能性もあるということで、単なる研修とはいえ、NPの中でもかなり大きな存在を占める活動な気がしています。

ということで、今回は「派遣前研修って何なの?1か月も何をするの?」と疑問や不安を抱かれている方に向けて、私の経験をもとに派遣前研修について紹介していきたいと思います!

全部書いたら約1万字の超大作になってしまったので(笑)、2回に分けてお届けします。
今回は【概要】【具体的な研修内容】【研修中の1日の流れ】をご紹介!

※あくまで私が2023年に参加した派遣前研修をもとに記事を書いており、参加回によっても内容等は異なる場合があります。また、私の主観で書いている箇所もありますので、あくまで参考程度にご覧いただけますと幸いです。

派遣前研修の概要

派遣前研修とは、その名の通り「派遣に備えて渡航前に日本国内で実施される研修」になります。

期間は約4週間。
開催地は大阪や大分など回によって異なるようですが、私が参加したのは大阪府にある「関西国際センター」という国際交流基金の施設で行われたものでした。

ここで初めて他のNPと顔合わせを行い、同じ宿舎で生活しながら、月曜から土曜までの週6日、朝から夕方までみっちり研修を受けます。

この研修が行われるのは、プログラムの3~4か月前というのがメインというイメージです。
私の場合は、渡航が2024年3月上旬でしたが、派遣前研修は11月下旬~12月中旬に行われました。

実は、派遣前研修に参加する段階では、あくまで参加者は「NP内定者」にすぎず、正式にNPとして参加が確定するのは派遣前研修の最終日

派遣前研修を通して、派遣先国の言語や文化、派遣中の注意点等を学び、また問題行動を起こさないか等の態度も見られながら、「NPとして派遣されるのにふさわしい人間か」というのが見極められていくわけです。

とはいえ、派遣前研修で内定者から外されるようなことはよほどの悪事をやらかさない限りめったにないことだと思うのですが、研修を通して、書類や短時間の面接だけでは分からない部分を見られていると思いましたし、NPサイドとしてもこれまで見えなかったいろいろな情報を得る重要な機会になりました。

具体的な研修内容

では、具体的にどういった研修をするのでしょうか。

研修内容としては、主に以下のようなカテゴリに分けられると思います。

  • 派遣先国の言語習得

  • 派遣先国の歴史・文化・生活スタイル

  • 派遣先国の教育制度

  • 派遣先国の安全管理

  • NPとしての心構え

  • 日本文化紹介の練習

  • 日本語教育の基礎(やさしい日本語の使い方、等)

  • チームティーチングの練習


これらの中で特に大きな時間を占めるのが「派遣先国の言語習得」です。
毎日3時間、週6日、がっつり言語を学ぶ時間があります。

最初にプレースメントテストが行われてクラス分けが行われ、少人数のクラスで外部講師による言語研修を受けます。

ここで重きが置かれるのは、文法理解などではなく、とにもかくにも「コミュニケーション力の向上」。
授業もとにかく話すことメインで進められて、実際に渡航した時に触れるであろう最低限の表現を叩き込まれます。

私の場合は「マレー語」の研修でした。
マレー語については、あいさつや数字の数え方を少しだけ知っているくらいだったので、ほぼレベル0の段階からのスタート。

一応派遣前研修の前に「最低限この単語を予習しておくとスムーズに研修に参加できます」といった案内をされていたので、それらの単語だけは事前に覚えていきました。

そのおかげもあって、プレースメントテストでは1問も分からない!というようなことはなく、たまーに見たことある単語がでてきて何となくで答えられる問題がいくつかはあったのですが、とはいえ本当になじみがない言語だったので、かなりボロボロだったと思います(笑)

まぁプレースメントテストで無駄にできてしまったところで仕方ないので、自分のリアルな現在地を知るためにも、そこまでこのテストは身構えずに臨んでいいと思っています。

クラス分け後は日々授業を受けて、毎週100以上の新出語彙を覚え、土曜日には毎回確認テストが行われました。

そして、最後の授業では総合的な実力を測る試験も行われました。

これらのテストについては、あくまで基礎力を測る内容であり、習った表現や単語をしっかり身に付けておけば過度に構える必要はないレベルの内容だったと思います。

この1か月を通して、簡単な文であれば、相手の言っていることがなんとなく分かったり、伝えたいことを何とか伝えたりするだけの力は身に付けることができて、これは派遣中の今現在もかなり役立っています。

とはいえ、習得言語によって難易度は大きく異なると思っており、マレー語は比較的習得難度が低かったのではないかと思っていますね。なにより文字がアルファベットっていうのが大きすぎる。

言語によってはまず文字から習得しないといけないと思うと、その分負荷も大きくなると思うので、その点ではラッキーだったと思います^^;


その他の内容としては、上記に書いた通り、派遣にあたって最低限知っておくべき派遣先国の情報を講義形式で学んだり、現地でNPとして活動することを見据えた実践型の研修をしたり、本当に多様な研修を受けました。

相手の文化や歴史などをしっかり学んでから渡航することは、相手国へのリスペクトにもつながりますし、安全管理の方法などを学ぶことは自分の身を自分で守ることに直結するので、専門家の方から色々な切り口での研修を受けることができたのは本当に貴重で重要な機会でした。

また、渡航すると現地の日本語の先生とペアで授業を行うので、チームティーチングの練習などを実戦形式でさせてもらえたことも大きかったと思います。

他にも、NP経験者のリアルな経験談を聞ける座談会や、過去のNPの実践例を知ることができる場なども用意していただき、NPとして活動する日々のイメージをかなり具体的に持つことができるようになりました。

さらに、日本の文化紹介のレパートリーを増やすため、他のNP参加者と協力して日本食づくりや着物の着付けの練習などができる自由時間もありました。

みんなで着付けの練習をした後に夕陽を眺めました(笑)

「文化紹介と言われても何すればいいか分からないし、特技とかも別にない…!」と思っていた私にとっては、他のNPの得意やスキルから学び合いができる時間が確保されていたことは凄く有り難かったですし、アイデアを「知る」だけでなく「実践する」機会を頂けたことで、派遣中の今でもとても役立っています。


このように、1か月間の研修の中で、渡航に当たって必要な様々な知識を身に付けることができます。

一方で、「日本語教育」については、体系的で丁寧な研修があるわけではないため、日本語の教え方や日本語の文法構造などについて具体的に学びたい場合は、あくまで自分である程度学んでいく必要があるとも思いました。

とはいえ、実際渡航してみると、細かい日本語教育の知識よりも、自分にできることを臨機応変に考えて実践するマインドやフットワークの方がよっぽど重要だと感じるので、この研修内で日本語教育に関する時間の比率が低い理由は納得なわけですが。

とにかく日々たくさんの講義を受けてインプットを得る期間になり、久々に学生に戻ったような気持になる1か月間でした(笑)


研修中の1日の流れ

次は、派遣前研修の期間中の1日の過ごし方についてご紹介したいと思います。

日によって研修時間が異なることもありましたが、平日の代表的な過ごし方としては以下のような感じでした。

-8:45 朝食
9:10-12:00 語学研修
12:00-13:10 昼食
13:10-17:10 研修(2~3コマ)
17:10- 夕食・自由時間

土曜日は、午前中だけで研修が終わり(語学研修のみ)、午後は自由時間という流れでした。


まず、日々の食事については施設内の食堂でとります。
事前に食堂で使えるカードを渡されて、そこに1か月分の食事のポイントを入れてもらっているので、それをオーバーしない限りはこちらの支出なく3食食べることができます。(休日を除く)

そして、かなりの額のポイントを入れてもらえるので、基本的にはオーバーする心配もありません^^

また、食事のレパートリーも豊富で、毎日たくさんのメニューの中から自分の食べたいものを選ぶことができます。
様々な国の料理を楽しむことができて、食事は研修中の日々の楽しみの一つでした!

朝昼晩、自分が支出することなく、しっかり栄養を取って好きな食べ物を楽しむことができたので、食生活的にはすごくいい環境でした(^v^)

また、食事の時間に他の参加者と会話することがたくさんできたため、NP同期との関係値を深める機会にもなりました。

宿泊所についても、しっかり個室が与えられて、研修時間以外はプライベートを守ることができます。

会場によっても若干異なるかもしれませんが、私はビジネスホテルのような宿泊所で、部屋の中にいすや机、テレビ、ベッド、ユニットバス、棚、冷蔵庫などが揃えられており、またWifiも完備だったのでホテルライフのような快適な生活を送ることができました。

施設内にはランドリースペースもあるので、洗剤さえ自分で持っていけば、無料で洗濯可能!乾燥機もついているのが嬉しいポイント。


研修後の自由時間でも様々なことができました。

付属の図書館で日本語教育や日本文化について学んだり、マレーシアの映画を見て映像からマレーシアの文化を学んだり。

また、施設内にカラオケブースがあったのでカラオケをして親交を深めたり、他のNPと一緒に語学の勉強をしたり、日本のアニメをみんなで見て履修する機会をつくったりもしました。


さらに、これはたまたまかもしれないのですが、私たちの研修中に同じ施設内で「外交官研修」が実施されており、様々な国の外交官が日本語や日本について学んでいました。

そのため、食事や自由時間の際には、そういった他の国の方とも親交を深める機会があり、プチ留学のような気持ちで生活を楽しむこともできました^^


ということで、今回は派遣前研修の概要、研修内容、1日の流れをご紹介しました!

少しでも「派遣前研修」の見通しやイメージを掴んでいただくきっかけになれば幸いです!

次回は、休日の過ごし方や、具体的な持ち物についてご紹介したいと思います(^o^)/ではでは~!!

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