見出し画像

地下の展示2件(1)

地下での展示を2件ほど、1つ目。

遣り取りの行方 林勇気+SjQ
https://2019.yaritori.site
@細野ビルヂングB1F


会場は築80年以上の(おそらくは)コンクリート造の建物、エントランスから誘導され、2階をまわってから地下に辿り着く。

2 つの黒のケースが上下に組み合わされた筐体、会場にはこれが4つ置かれている。下側のケース(共鳴箱?)にスピーカが上向きについており、その上に設置されたボウルに音が反射して、(おそらく)水平方向に全方位に音が出る仕組。

上側のケースにはタブレットが載せてあり、簡素な記号で組み合わされた(しかし他と異なることが一瞥してわかる)さまざまな人工生命が追いかけあったりたゆたって(揺蕩って)いる。

個別の人工生命は、twitter経由で送られた写真(画像)が元となって生成される。画像から(たしか)簡素な直線構造が抽出され、さらに簡略化され、これが基礎となって生み出された人工生命がタブレット上に放流される。その混雑具合を元に音が合成されるとのこと。

ひとつのひとつの筐体からから発せられる音を聴いていると、いくつもの音が折り重なっているのがみえてくる。それぞれの音は周波数の異なるサイン波のようで、浮かんでは消えるものもあれば、しばらく持続しているものも。この音はインターネット上の音源に由来するとのこと。

会場は若干入り組んだ構造で、場所によって聴こえがかなり異なる(おそらく4つの筐体からの音は同時には聴こえない、聴こえにくいレイアウトになっている)。心地よく感じる場所を見つけられればいつまでも聴いていられそう。

制作においては、インターネット上のデータがどのように変化していくのかに着目したとのことです。

写真(基底現実から生み出されたデータ)が、ネットワークを介し、メディアを超えて、設定された環境で変容し、音として(基底現実の現象として)提示される、という様に解釈しました。
こうした変容を扱う場合、(もちろん作り込みが大切ですが)音響が最終的なメディアとしてしっくりきやすいように思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?