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ヒトラーを生んだ民主主義

7月1日放送の、NHK「世紀の映像バタフライエフェクト ワイマール ヒトラーを生んだ自由の国」を観た。

1919年にドイツで制定されたワイマール憲法は、とても先進的な゙憲法で人権、自由が保障されたものであったが、大きな欠陥を含んでいた。
緊急事態条項が組み込まれ、緊急時には国民の基本権(人権、自由)を暫定的に停止できる、というものだった。
のちにこの緊急事態条項がヒトラーに利用されることになる。

ワイマール憲法制定後、人々は自由を手に入れ、スポーツに熱中したり、性が開放されたりと社会は自由の雰囲気に包まれる。大手銀行や百貨店をユダヤ人が経営したり、ユダヤ人が経済界で活躍していた。
ところが、1930年に大恐慌がドイツを襲う。人々の不満はピークに達し、その後ヒトラーが台頭してくる。民主主義の弱点、社会の分断をついてヒトラーというモンスターが生まれたのだ、と表現していた。
ワイマールが制定され、ナチスが台頭するまでの15年間の不満と絶望の行き着いたもの、ヒトラーの革命は一過性の暴発ではない。ドイツの品位をやっと取り戻せたと国民は思っていたというのは、作家のトーマスマンの分析だ。
お金が儲かる仕事をユダヤ人に取られたという不満を、ヒトラーは利用した。

民主主義が独裁者を生み出してしまったということになる。社会が不安定化してくると、このような偏った独裁者が生まれてきてしまう。自由であるがゆえ、誰でもそのチャンスがある。
そして、この前例は昔の事だと思っている場合ではないだろう。
対岸の火事でもなく、眼前に突きつけられている。今現在、人々の不安、不満は膨れ上がっていると感じている。

現に、偏った独裁的な政治家が世界のあちこちで誕生しているように思う。
日本はどうだろうか。
結構危なくなってきていないだろうか。




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