ふと彼岸へと行ってしまったあなたから 昨日届いた校庭の匂い
あした僕の知らない太陽が昇る前に夏が去る彼岸過ぎ
夏日影自由の女神の右手から だらり溶け出すアイスクリーム
屋根裏をサンダルばきの幼児のごとく駆ける鼠にたじろぐ丑三つ
紫陽花がもくもくと咲く水無月は過ぎ去りし日の悔いのみ残し
西瓜食べウォーターメロンと言いかけて パステクと言う涼しげな午後
ふらふらと夢遊病者のふりをして どこも同じの空港彷徨ふ
是も非とも思えぬ明日に目を瞑り 頭空にして眠る日もある
昨日みた悪夢が今朝は空へ抜け 光風運べ虹の向こうへ
熱望に幻滅しても9年間 君の顔なら見続けられる
そば手繰り通り向かいの喫茶店 手慣れた雨垂れポリーニ偲び #かんだやぶそば #珈琲ショパン
新しい高枝ばさみを操って 落ちたナメクジ額にペチャリ
一日のはじめに犬をなぜている どうしてそんな夢ばかりみる
遠い街手紙が届く10日後の今から見える君の横顔
昔きた道を歩いて擦りむいた 膝小僧にはしみる赤チン
いつからか吊られた時間さがしつつ ふらふら歩く子どもみたいに