【推し本紹介】タイタンはおねショタ!【タイタン】
Q.おねショタって何ですか?
A.この記事内においては「主人公の女性とコイオスとの交流が、私、好きなんスよ」という意味です。
Q.コイオスって誰ですか?
A.タイタンのひとつです。
Q.タイタンって何ですか?
A.AIです。
Q.この小説はどんな話ですか?
A.仕事についての話です。
Q.仕事って、何ですか?
この本の表紙を見ると、帯の「今日も働く、人類へ」の言葉が目立つ。
前述のとおり、これは仕事の話だ。
今よりも未来の物語。タイタンと呼ばれるAIが普及した世界の物語。
タイタンAIが人類の代わりに働くようになり、人が仕事から解放された未来。
そんな未来で。
主人公の女性……内匠成果に、仕事の話が舞い込んだ。
内匠成果。
心理学を趣味とする女性。
AIが働いてくれる世の中で、当然彼女も仕事をした経験などない。そんな彼女に声がかかったのは、心理学の腕を評価されての事だった。
仕事の内容は、カウンセリング。
患者は、……タイタン。
世界の各地、全十二ヶ所に、タイタンAIの知能拠点が設置されている。各知能拠点にはそれぞれタイタンAIの本体が収められていて、十二のAIがそれぞれに、人の生活を支える為に働いている。様々なロボットを操作して、家を建てたり、レストランで料理を提供したり、病気の人を治療したり……生活の全てを支えている。
十二のタイタンAIにはそれぞれあだ名がつけられている。
この記事の冒頭でちらっと述べた、「コイオス」。
それは、第二知能拠点のタイタンAIにつけられたあだ名だ。
そして、カウンセリングの必要な患者の名前だ。
コイオスは…………どうしてだかわかんないんだけどなんか機能が低下していた。仕事が、うまくできないのだ。どうしてだかわかんないんだけど、調子が悪い。
どうしてだかわかんない。わかんないのだ。
原因不明の不具合。
原因さえわかれば直す事もできるかもしれない。でもその原因がわからない。
わからないから直せない。
人の生活の全てを支えているAIに、異常があるのに、直せない。
それはとんでもない事態だった。
なんとかしなければいけない。
だから、内匠成果が呼ばれた。
人間にはわからない、AIの機能低下の原因。
人間にわからないのなら。
AI本人から聞けばいい。
カウンセリングで。
ところで、カウンセリングとか交流だとかいうフレーズを使っているものだから、貴方にはタイタンが対話可能なAIとして認識されてしまっているかもしれない。
でもタイタンって、本来は対話するものではない。
たとえば、そう、調子の悪くなったパソコンに「どうしたんだいパソコン君?」と問いかけてみても答は返ってこないと思う。まぁそういう感じだ。
本来は対話できない。
でも、それなら対話可能にすればいい。
コイオスのカウンセリングは。
まず、コイオスに対話用の人格を作る事から始まった。
コイオスは人格を得ていく。
人格を得て、自分について考えていく。
自分。コイオス。人々の為に仕事をするタイタンAI。
今はその仕事がうまくいっていないけれど。
仕事……。
仕事。
仕事?
そもそも、仕事って、何?
人々の代わりに仕事をするAIが、仕事とは何か、という疑問を持ち始める。
カウンセラーとして呼ばれた内匠は、その疑問への答を持たない。
仕事とは何か、そんなの、内匠だってわからない。
仕事とは何か。カウンセリングの中で、内匠とコイオスは考えていく。
ひたすらに、考えていく。
対話しながら。
交流しながら。
これは、仕事の話で。
内匠成果とコイオスの、交流の話だ。
【単行本】
【文庫本】
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