促発身体知と創発身体知、からだメタ認知

体育授業で育てるもの

学習者は「できる」を目指して運動する。そこの試行錯誤に価値がある。その先に創発身体知があるのであり、指導者は自らの促発身体知をもって指導にあたる。運動学おいては基本であるが、問題意識としてあるのは「促発身体知を学習者に身に着けさせることは可能なのか」ということである。これこそが「運動の見方・考え方」なのではないかと。

そもそも身体知を体育授業でどう扱うか

これには「コツ」「カン」をどう扱うかを考えることが必要である。いわゆる形態化身体知に当たる部分。もちろんこの段階では創発身体知に当たる。まずはここから。ここに関してはツールとして「創作オノマトペ」が活かせると考えている。低学年ではオノマトペの選択肢を与えることも考えられる。オノマトペを考える→それはどんな動きなのかを言語化する、という一見逆説的ではあるものの、身体感覚を言語化することは容易になるプロセスだと思う。そこから「私の運動」としてのコツを言語化し、身体と言語のマッピングを図る。

促発身体知につなげる概念としての「からだメタ認知」

そうしたマッピングを経て、他者の運動を見る目も養っていく。「私の運動」の感覚をベースとして他者の運動を見ることができるようになる。そこで運動共感能力が育つ。自己の運動をメタ認知することができることで、他者の運動を見る目も育つのではないかという仮説である。創発身体知から促発身体知への架け橋となる概念が「からだメタ認知」ではないかと考える。

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