LINEヘルスケアで医師に相談をしてみた体験レポートと感想

2020年1月8日のきょう、こんなニュースが飛び込んできた。

LINEヘルスケア社がβ版として昨年開始した、オンラインでのサービス。以前から関心があったけれど、これまではAndroidのみの対応だった。
iOS版のリリースを指をくわえて待っていたところ、ついに提供開始。

病院に行くほどではないけれど、いつか医師に相談してみたいと思っていた関節痛についてのアドバイスを受けるべく、さっそく利用してみた。

もちろん、いちマーケターとしてこの新しいサービスを利用者目線で分析したいという思惑もあった。大いにあった。

結果として1,000円の利用料で医師からのアドバイスと、未来を感じる貴重なユーザー体験を得ることができたので、備忘も兼ねてレポートとしてまとめてみる。

LINEヘルスケアを使ってみた感想

結論から書くと、今回相談した以下のケースでは、想像以上に的確なアドバイスがもらえてとても満足した。

■症状
10年前から続く、断続的・慢性的な膝関節痛。普段は痛みなし。
歩く、走る、階段の上り下りなどにまったく問題はなく、病院に行くほどでもないので放っておいたままにしているけれど、寒い日や雨の日にたまにズキズキと痛む。きょうの午後も久しぶりに少し痛んだ。

■LINEヘルスケアで使ったサービス
「あとから回答」・・・1,000円 
開始から48時間以内、1,000文字以内の相談が可能。
テキストベースで相談をして、医師と相談者(自分)が質問とアドバイスを繰り返す。
対象診療科は内科・小児科・産婦人科・整形外科・皮膚科の5つから自分で選ぶ必要あり。

画像1

このほかに「いますぐ相談」(30分・・・2,000円)というサービスもあったが、自分は症状的に緊急ではないので、子供の急な発熱で通院要否の判断が欲しいような、本当に必要な人がそちらを使えるようにリアルタイムではない「あとから回答」を選択した。

余談だけれど、これまで使っていなかったLINE Payをこのために登録し、帰宅途中のコンビニから入金して支払いに使った。後述するが、身銭を切った甲斐はあったので、きょうの自分の行動力をほめたい。

■得られたアドバイスと感想
「普段は痛くないし、仕事も忙しいし、わざわざ病院に行くほどでもないなー」と何年も放置した膝。こんなケースの相談に対して、チャットで詳しく問診したあと、ストレッチや筋トレの方法を教えてもらえた。

本日(2020年1月8日時点)では利用規約により、本サービス内では画像の送信が禁止事項になっている。そのため、患部の写真を撮って送るということはできない
そのためストレッチの方法なんかもたいしたアドバイスはもらえないだろうと思っていたが、Webリンクは通常のLINEと同じく送信可能なので、Web上で公開されている解剖図やストレッチ動画を先生が送ってくれたのがとても良かった。

画像3

使用感はLINEそのもの。友達とチャットしているのと変わらない。
1,000文字という制約の中なら時間をかけて質問を練れるので、ゆったり相談できるのが良い感じ。実際に自分が使ったのは勤め先の新年会から帰って、自宅でゆっくりしながら。
夜22:30から、自宅でリラックスしながら整形外科医に医療相談をチャットするという圧倒的な未来感に興奮が止まらない。

通常のLINEと同じくトーク履歴も残るので、後から読み返せるのも良い。
対面での診察だとさんざん待った上に3分診療なんてことはざらにあるけれど、今回はじっくり1時間もチャットをしていた。(送ってもらったリンクをみながらストレッチを試した時間を含む)

文字数制限がある分、的確な質問をしようとこちらも頭を使うのも対面とは少し違うユーザー体験。対面診療だとどうしても医師の話を聞く時間がほとんどで、その場でズバッと質問できないこともあるので、自分のペースで知りたいことをポツポツと聞けるのは良い。

サービス利用料には保険が効かない

このサービスには保険が効かないので1,000円は全て自己負担。
その分、保険証の写真を送る必要もないし、LINE Payの残高さえあれば携帯一つで利用できるのは新鮮な体験だった。

そもそも「診療」行為ではなくあくまで「遠隔健康医療相談」という位置づけのようなので保険が効かないのは当たり前と言える。
上述の「画像送信禁止」という縛りもこれに関係していると考えられる。

「遠隔診療」と「遠隔健康医療相談」という用語の定義や行為の範囲については厚生労働省のガイドライン「オンライン診療の適切な実施に関する指針 − 平成30年度」から引用した以下の図がわかりやすい。
LINEヘルスケアは現在のところ、下図中の太枠よりも下部分に位置することになる。

画像2

出典:https://www.mhlw.go.jp/content/000534254.pdf

2018年度の診療報酬改定でオンライン診療は実質解禁され、すでに参入している企業や医療機関も複数いるけれど、LINEヘルスケア社はまだそこまで踏み込んでいない。現在はβ版としてリリースしているので、正式版で解禁されるのかが気になっている。

LINEヘルスケアをおすすめするかは診療科と症状による

上記でさんざん高評価をしたけれど、これを人に勧めるかどうか冷静に考えると、かなり症状によりけりだと思う。そして今後画像や動画での「遠隔診療」が解禁されるかどうか。

2人の子供の親としてこのサービスを使いたいケースは、小児湿疹のような場合。
夜中に子供が泣いて起きる。肌が腫れている、さあ夜間救急で見てもらおうかどうしようか。
こんな時こそ使いたいのに、画像送信とそれに基づく診断ができないのは致命的だと感じた

自分や妻のような大人が、昼間に通院する時間が取れずに診てもらえなくて、救急にかかるほどではないけれど夜にちょっと相談したい(まさに今回のケース)なんかは間違いなくヒットする。

そう考えると結局、診療科や緊急度合いを自分で判断することになるので、LINEヘルスケアがマッチする症状や状況なのかどうかを見極めるため、患者/相談者側が賢くならなければ、などと感じた。
何にせよ、患者にとって遠隔の選択肢が広がること自体はとても良いことで間違いない。

LINE上での整形外科医とのチャット事例(画面キャプチャ)

画像4


あるタイミングで対応可能な医師は「いますぐ相談する」ことが可能。それ以外の医師には「あとから回答をもらう」が選択可能。

今回は急いではいなかったけれど、オンラインになっていた青木先生へ相談。

ここから先は

496字 / 7画像

¥ 100

好きなコーヒー豆を買い、早起きをして、また何かを書きます。