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ベイクドポテトに塩


突然


ずっと気になっていたのに行けなかった場所が開かれている

(入るしかない!!!!)

重たいドアをギッと開ける


古い物がたくさんあって少し埃っぽい

「こんばんは」と中に進むと

「いらっしゃい」と声だけが聞こえる

姿は見えない

さらに進むとカウンター越しに人影が見える

「若いお客さんは珍しいな」


そのまま店内を見させてもらう

カメラを趣味にしているという話から

話が弾む


「こっちにおいで、面白いものをみせよう」

店の外に出て庭を通り木の生い茂る門をくぐり抜けて

別の部屋に外から入る



1人で暮らしているというその人。


部屋の奥に通されてソファに座る。

スキレットでジャガイモを焼いていたという。

温かいうちにシンプルに塩で頂くことにしようと。


テーブルには

塩の入った片手に収まるくらいの蓋つきの器。

取り皿は無くて、フォークだけ渡される。

酒のアテか夜食か。


家主が「どうぞ」と、塩の器を開ける。

フォークでジャガイモを刺す。

ハフハフと頬張る姿を見て喉を鳴らす


渡されたフォークでジャガイモを刺す

柔らかいのに崩れない。

塩をかけて食べる。


じっくりと焼かれていて柔らかい。

水分も程よくあり、ネットリしているジャガイモ。

ウイスキーを飲む。


最初こそ遠慮がちだったが

次第に次のジャガイモをつつき始める。


「塩を他の人が使うんだから蓋は閉める必要はないだろう?」

「トイレの電気を消したのは誰だ?まだ誰かが使うだろう?」


開けたら閉める、つけたら消す、

それが不合理に思えてくる空間


アメリが最高だ!と映像がプロジェクターに写される


「でも今日はコレ」、と違う映画に切り替わる。

それも最後まで見せてはくれない。

スパイの話だったような気がする。

タイトルが思い出せない。



突然、イタリアにいるという友人とテレビ電話が始まる。

講義が終わり、これからランチなのだというその人。

ヴィ―ガンのお店が多いという。

現地のレストラン事情を教えてもらった。

レストランにつくまで街並みを見せてくれる。

荒い画質でよく分からないものの、魅力的な景色。

店内でも説明しながら映像を繋ぐ


すっかり話し込み、あくびが出る。

もう遅い時間なのが分かる。



・・・


どうやってお店から出たのか覚えていない。

あの店は今も暗いままだ

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