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こぎろー氏×繭乃氏の作品が醸し出す、誉め言葉としてのキッチュさとポップさの素晴らしさ!!

noteの更新が滞ってしまった。
「シン・エヴァンゲリオン新劇場版:||」を観て脱力してしまったことと、子供の入学やら何やら、家の事情がバタバタしていて、そのために、緊急事態宣言中に完了する予定だった鉄道模型の工事の進捗が遅れている。
何となく気持ちもバタバタしていて、そうこうしているうちに、なんとふと気付くと喉が痛く、体調不良になっちゃったりしていた。

そんなボクのことよりも!!
朋友であり、かめこ展仲間のカメラマン、こぎろー氏と、小説家で舞台女優でもあるモデル、繭乃氏の新作写真を是非観てほしい!!

いやぁ、久々に「やられた!!」と思った!

この写真は、「ラブホテル」「ピンク電話」「メイド」そして、「エロス」と「パンティー」・・・どのアイテムをとっても、誉め言葉としての、キッチュさとポップさを、非常に上手く醸し出した傑作であると思う。

ちなみに、「ポップでキッチュ」は、大好きなPIZZICATOFIVEの音楽に対する最大の賛辞で、ボクは90年代、高校時代にPIZZICATOFIVEと渋谷系を初めて知ったころ、「ポップでキッチュな、ビスコとアポロとチュッパチャップス」という短編小説を書いたくらいに好きな言葉なのである。

そして、ボクがこの作品から思い起こしたのは、吉行淳之介の名作「コールガール」である。

ラブホテル+電話+エロス=「コールガール」

我ながら安易だが、間違ってはいないでしょ!?

いや、「コールガール」という言葉について、俗称で平易に言い換えてしまうと、単純に所謂「デリヘル」「ホテヘル」等、訪問型性風俗業を指し示す言葉になってしまうだろう。
あるいは、無店舗型の、違法脱法な風俗業も含む、マイナスイメージを抱く人もいるかもしれない。

だがしかし、言葉としての「コールガール」は、人類の歴史における性風俗の「娼婦」という業態の中で、エジソンが電話を発明して以降の近代文明社会において、単純な一つの業態を指し示すだけではなく、歴史は浅いながらも、文芸的に醸成された、上質な情緒が、醸し出されている言葉になっていったのだ!!

うーん、ボクとしては、「キッチュさ」とは、男性目線の女性に対する「陳腐さ、軽薄さ」ではなく、ベンヤミンの複製芸術に対する評価に似た、女性の生き方において、他者(主に男性)や組織に依存しない、そして自己の認識からも解き放たれた、ある意味自由な存在として映るのだが、それは褒めすぎであろうか?

ボクも文学、映画、演劇、文芸作品の全て調べたわけではないが、
・吉行淳之介
・チャールズ・ブコウスキー
・村上春樹

少なくとも3作家が、「コールガール」を意図的にこの言葉を用いて描いている。

この写真が、ダイヤル式じゃなく、緑のプッシュボタン式公衆電話だったら、「ポケベル」と「援助交際」が結びついてくるのだろうか??

どうしようもない、ファッションセンスの欠片もない、典型的な、THE「ラブホテル」の空間は、今だからこそ、改めてキッチュなノスタルジーさえ感じさせるのだ。

フィルム写真の質感も含め、そういえば、インターネット黎明期に、こういうどうしようもない素人エロ写真が氾濫していたなぁ、、、と、懐かしくなってみたり。

いや、ボクの体験を語るならば、まだ一人暮らしだったころ、ボクはある意味「コールガール」・・・いや、「デリヘル」にハマっていた時期もあったのだけれども、実態としては、「コールガール」なんて呼べるようなポップでキッチュな物語ではなかったような・・・
それはまた別の機会に書きましょうか。。。読みたい人はいるのかしら。

さて、今回こぎろー氏の作品で妖艶な「コールガール」を演じたモデルの繭乃さんは、5月に2回目の演劇舞台に出演します!!

こぎろー氏の写真からも感じる素晴らしい演技力をふんだんに味わえる舞台になると思います!!

ボクも都合つけて見に行きたいと思います!
みなさまも是非!!

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