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未来に繋がる「過去」のこと 〜父の最後の日〜

みなさん、こんにちは。介護現場で月を読む‥琉球月よみ師みゆきです。

これは、6年前の過去記事です。

介護を生業にするわたしが、家族の介護に関わっていた経験の一コマですが
「人のいのち」に寄り添っていくスタンス、わたしが大切にしたい想いを忘れずに、ブレずにいるために欠かすことのできない「人生ストーリー」です。


フリーランス介護福祉士になり、個人事業でやっていきたいこと、ビジネスパートナーとのご縁でチャレンジしたい、ちょっとスケールの大きい事業を展開していくタイミングで、ココロの棚卸しと整理のために過去の記録とともに自分に向き合う作業をしています。

もしよろしければ、これから先の未来に繋がる想いにお付き合い頂けましたら嬉しいです。




『ご報告✳︎父を見送りました』

父の最後の日…前日。

2日連チャンで父の病室に泊まり込んでいた母と交代して、私が泊まりました。

父は私のことをしっかりとみて手を差し出し…安心したように母にその手で『バイバイ』と小さく手を振りました。

数日前から痰絡みがひどく、口からの食事を控えていました。今思えば、私の介助で取った食事が口からいただく最後の食事になりました。

発熱があり、荒い呼吸が続く夜を…私は父の傍のソファでウトウトしながら過ごしました。

朝方、だいぶ呼吸が落ち着いてきて、看護師さんの『薬が効いてきてよかったですね』の言葉に安心して…6時になるのを待ってカーテンを開け朝日を入れました。

静かな朝…。

あまりの静けさにTVのスイッチを入れ『お父さん、だいぶ楽になったね』と声をかけようとベッドの父を覗き込んだら…父の身体から音がなくなっていました。

父と私…1メートルほどの距離でも気がつかないほどの息遣いで…最後の呼吸をしたのでしょう。

いつもと同じ寝顔でした。

私は…自分でも驚くほど冷静に、父の胸に手を当て、手首の脈が触れないことを確かめてナースコールをしました。


父がホスピス病棟に移った時、私は看護師長さんに1つお願いをしました。

『もしもできることなら、エンジェルケアを一緒にさせてください』と。

でも、それが叶うのは仕事外の時間帯にタイミングが合えば…の話。

そのタイミングが見事にあった父の最後の日でした。

私は…看護師さんと、ホスピス勤務歴8年のベテラン介護福祉士さんと3人で、父の話をしながら最後の入浴をしました。

人生で最初で最後の父の入浴介助でした。

それはそれは…とても豊かな時間…幸せな体験でした。


父は、人生の最後に…

本当に素晴らしい人との出逢いに恵まれました。

認知症を患った父を愛で包んでくれた人たち…父の父らしさを守り続けてくれた人たち…人に恵まれることの有り難さをこれほど実感した日はありません。

父を亡くした悲しさよりも素晴らしい支え人たちへの感謝で熱いものが込み上げました。

そして…素晴らしい納棺師の方が立派に父の旅支度を整えてくださり、納棺までも一緒にさせていただきました。

人生の中で、一番濃厚な父との時間でした。


それが…私と父の長い1日。

父と私の…最後の日のこと。


(一部、割愛)

私は…父の最後の日も

その日から今日までもずっと笑顔とともにいます。
不思議と、涙は何度も流れていません。

不謹慎だとお叱りを受けそうですが…それが『私が私を生きること』です。

父はきっと許してくれていると信じています。

父からいのちのバトンを受け取って…

お仕事も再開しています!
新しくチャレンジさせていただくお仕事の準備も始めていきます!

これからもどうぞよろしくお願いいたしますね!
明日も幸せな1日になりますように♡

(過去記事、終わり)




6年前と今‥人のいのちに関わる現場に身を置き続けていることに
変わりはないのですが、『いのち』を捉える視野の拡がりと奥行きの深さは
かなり変わったなぁ、というのが振り返ってみて感じることです。

ひとつの人生ストーリーが時を経て、また新たな気づきをもたらしてくれる
そんな新鮮な日々が、今日の活力に、明日に進むチカラになりますように。

過去記事からの日々雑感‥しばらく続きます。
今日も読んでくださりありがとうございました✨🌈✨

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