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2021/1/6 下弦の月、スタートの前に

2021年最初のマガジン(草木染のシルクインナーお知らせは除く)です。
年明けは下弦の月から。
下弦の月は、新月に向かう半月で、不要なものを手放したり、いらないものを終わらせたり、やめたり、次のスタートのための準備期間といわれています。

園芸に満ち欠けを応用する時は、個別にはいろいろあるようですが、種まきは新月に、育った苗を植え替えるには上弦の月などといわれていて、じゃあ下弦の月から新月の間はというと「樹木のように長い時間生きるものを植えるタイミング」といわれているのですね。

大きく長期間に渡るプロジェクトも、新月前くらいから動き出すというようなことも言われます。
確かに、とても大きなショッピングモールなどをイメージしてもらうと、グランドオープンの前に関係者内覧会やプレオープン期間などがあります。
よく「新月より前にスタートしてしまったから、これはすぐに終わっちゃうってことですかね!?」と悲壮な顔をして聞かれることがあったのですが、全然そうじゃないようです。
逆にゲンを担ぐことにばかり気持ちが行くと、目の前で起きている問題をガン無視してあからさまな失敗を招くことも多いので、「なるようになった時に現状をよりしっかりとらえる」ことのほうが大事になります。
「寒い!」といっているのに「エアコンが25度設定なんだから寒いわけないでしょ!」と言ってしまうようなものです。25度設定でもエアコンの効きが悪くて室温が3度かもしれません。

ということで、この年はじめの下弦の月は、「2021年の本格始動はもう少し先だなー」「2020の後始末が終わらないなー」という雰囲気が漂っていてもむべなるかなです。

実際に、昨年の一大トピックスだった緊急事態宣言がもう一度出されるという動きが報道されていて、様子を見守っている状態です。
医療に関わりの深い人にとっては文字通り死活問題ですし(医療従事者も、現在ケガや疾病で治療中の人も)、去年を乗り越えられた小規模な事業者にとっても「二度目はないかも」というゆっくりとした死刑宣告を感じる人もいると思います(当店も正直他人事とはいえません…)とても怖くて不安な中にあります。

が、このゆっくりとした不安は、言い換えれば生きている人間がみな持っているものだと思います。
いずれ、我々は死んでしまいます。家族や友人や、尊敬する人や、嫌いな人や、ペットとしてそばにいてくれた小さな生き物たち……そして自分自身。
それを考えると、とても怖い事です。
しかし、その怖いことはずっとそばにあるのに、楽しい事や嬉しい事、美しい事、熱狂するような事も、同時に存在しています。それが生きるという事らしいです。

新しい時代はまだはじまらないし、そもそもまだ終わってもいない。
そういう空気が残っていても、当然なのかもしれません。

また、全員が同じ気持ちになることも、非常にまれなことです。
宇多田ヒカルの名曲「誰かの願いが叶うころ」の歌詞のようです。
パーフェクトな幸せは、人のことを思えば思うほど不可能になっていく。
そんな中で、どうやって生きていくのかを選んでいく。
でも選ぶ前に、不要なものを手放していく、というのが大事なことだよ、というのが満ち欠けサイクルの教えです。

今は、選べなくてもいい。
でもいらないものが見えるなら、それは「しかるべき場所に戻す」時期です。

それは捨てたり、不用品回収に出したりというわかりやすいものもありますし、「こういう未来になるだろうな」という予想を捨てるという事もあるかもしれません。
痛みを感じる人も多いですが、逆にすごいパーッと開けていく感じになる人だっています。「誰かの願いが叶う頃、あの子が泣いてるよ」の歌詞の通りです。

そして、何かが終わることは、必ずや何かがはじまるのです。
はじまる前の、ソワソワとした胎動というか、不安というか、それこそがやってくる「はじまり」の合図。
だから、この不安感を大事にしていくのが、今できる大切なことなのじゃないかと思います。

あっけらかんと「今年の夢」を考えるのもいいと思います。
不安を感じつつも、夢を持てるのが人間らしさというものです。

でもなんにも手につかないなって時は、やっぱり身の回りを片付けたり掃除したりしましょう。過剰にやると大事なものまで捨ててしまいかねないので、見るからにダメな奴だけを手放し、不完全な形でも良しとしましょう。次のチャンスにまた完成度を高めればいいのだから。

次のチャンスこそ、新しいスタートなのかもしれません。
期待を持つことは前向きな気持ちを持つことです。
不安を感じることは現状をしっかりと把握する賢さです。
両方を持って、ゆらゆらと揺らぎながら、今年も一年間よろしくお願いいたします!

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