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7/20 上弦の月と猛暑の話

7/20は上弦の月、次の満月は7/28で月食(今年最少の満月で皆既月食)です。なかなか暑苦しい星回りというか、圧の高い星回りが続きます。
天体観測初心者もとても楽しい夏です。

気温の方でも、暑い、という言葉では通じないレベルの自然災害高温が続いています。
熱中症事故が学校などで続発して、今までになく教育現場や働き方についての議論が起きています。

くしくも星回りは、大きな惑星である土星、冥王星、海王星が逆行中。
火星も逆行して地球に大接近(映画みたいにぶつかってくるわけじゃなくて、大きく見えるという事です。東南の空に赤く大きく見える星が火星です)しています。

逆行している惑星は、前に進むというよりも今までの事を持ち出して見直したり、事例を出して議論し合うような仕組みが表に出てきます。
今までこうだったから、という過去の事例と、今はこうだから変えなくてはという現在とのぶつかり合いが起きている状況は、逆行っぽさがあります。

今までのやり方では人命さえ失われる状況に、「でも今までそれで問題なかった」という反論が起きるのは、大抵今を生きていない人の感性です。

今を生きていないというのは、現状を見ずに過去の価値観、過去にうまくいっていた価値観の中で生きているという事です。過去の価値観に操られ、現状が見えないという事です。

これは誰にでも起きる事です。
特に過去成功を収めた人はそうなりがちです。
成功というと賞をもらうとか、経済的成功などを思い浮かべますが、もっと小さく「幸せだった時」「楽に生きられていた時」レベルの感覚でもあります。

逆に今を生きざるを得ない人というのは、変化の矢面に立っている人です。
やはり子供が小さく、ぐんぐん成長していく最中に寄り添っている人というのは、どうしても今そのものを見なくてはなりません。
昨日と今日が全く違っているくらい成長が早いと、とにかくそれに合わせて今という時間を生きていかねばならないからです。過去を懐かしむ余裕はあまりなく、たった半年、1年で状況がガラッと変わります。
でも、生活が硬直している大人は1年どころか数年同じパターンで生きているものです。変化がある事にまったく気づけないのです。
自分が太ったり老けたりしている事にさえ気づきません……なんで体重こんな増えてるのかね……。痩せないし…。

この変化に対応するという事、今を生きるという事は、日々アクシデントという状況なのです。
いつもと違う、いつも違う。
これはとても疲れます。

だから、今まで一番うまくいっていたと感じる状態で、人は固定されます。
大体それでうまくいきますし、いい状況にある場合は他の人を排除する事は造作もないです。

それが、このような高温災害の時に「教室にエアコンなんてダメ、子供の健康な発達を損ねる」と過去の感性は言いはじめます。
自分がそうだったから、他の先生もそういっているから、と過去の事例を持ってきて変化を否定する事で、自分の今までの実績を守ろうとしたり、変化する大変さから逃げようとしてしまうのです。

「学校にエアコンは必要ない」という感覚、実はかなり多くの人が持っていると思います。自分もそうだったし、先生もそういっていた。嫌だったけどそれが必要なんじゃないかな、そんなに言われるんだもの…と。その感覚を一度は感じていても、それは違う、と思う事もできます。子供を育てている人はもっと切実に思うでしょう。
過去に感じた事に操られるように、今をないがしろにしてしまう事もあれば、過去を活かして今のこの大問題を乗り切る事もできます。
あの時感じていた「本当は嫌だったけど」という感覚も、きちんと活かしていくことができるのです。

前回の蝕、次の満月も蝕、その次も蝕になります。

この蝕(日食・月食)というのは大きな節目です。年に2~3回はあるのでそれほど珍しくはありません。数か月の節目という感じです。
ですが、その節目には長年積み重なってきた重みが現れます。
西日本の大雨災害、その後の災害レベルの高気温という非常に負荷が高い状況になって、働き方や教育現場の硬直した対応で人命にかかわる事が明らかになってしまったというのも、過去の積み重ねの重みがぱっきりと(あまりよくない形で)現れてしまったともいえるかもしれません。

それに対して、こうではいけない、もっとこうするのが今の時代を生き抜くのに必要だ!という議論と対処が起きていくとても大切な時間なのだと思います。


もちろん、個人のレベルでは今まで積み重ねた努力がよい方に花開くタイミングとなったりという事もたくさんあります。
過去は、豊かな資産にもなれば、大いなる負債にもなります。
なにか問題が表面化した時は、負債になりかねない過去を修正して資産に帰るための作業なのです。
その修正作業ができるのが、この蝕や逆行が重なるこの夏の課題なのかもしれません。

折角の平成最後の夏、自分も他人も誰ひとり傷つけず、過去も未来も大切にするための戦いがあるのかもしれません。過去を踏みにじる事もなく、未来の為に今を傷つける事なく、心を強くもって生きていきたいです。



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