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試合考察〜J3リーグ第21節 奈良クラブvsギラヴァンツ北九州〜

こんにちは。
1試合単体で書くのは久しぶりです。
いろんな意見を目にしますが、最近は勝てていないことに対するマイナスの要素が大きい気がします。
リンクを踏まないと見えないこの場で、あまりそういったことも書きたくないので、個人的に感じるプラスの要素も書いていきたいと思います。(と言っても少しキツイことも書きますので悪しからず。)

日時:8月6日(日)15:00K.O
場所:ロートフィールド奈良
対戦相手:ギラヴァンツ北九州
●0-1 lose

【奈良クラブスターティングメンバー】
※敬称略
GK 岡田
DF 寺村(RSB) 加藤(LSB) 伊勢 鈴木
MF 堀内 山本(IH) 中島(IH)
FW 西田(RWB) 嫁阪(LWB) 浅川(CF)

RSB=右サイドバック
LSB=左サイドバック
IH=インサイドハーフ
RWB=右ウイング
LWB=左ウイング
CF=センターフォワード

奈良は4-3-3のフォーメーションなので、前3人は3トップと呼ばれますが、ポジションを表すために右と左で分けました。
インサイドハーフはボランチだと思ってもらえると分かりやすいと思います。

【サブ】
GK 赤塚
DF 小谷 都並(♻︎寺村)
MF 片岡(♻︎中島) 可児(♻︎山本) 桑島(♻︎嫁阪)
FW 酒井(♻︎西田)

◯失点シーンの分析
ショートコーナーからヘディングであっさりと点を取られてしまった。前々節ホームの富山戦でも同じような失点シーンを目にした。
北九州は奈良がセットプレー時にニアサイドが空くことを認識しており、そこをまんまと狙われた形となった。
個人的にショートコーナーは対策してなんとかなる問題ではないと思っている。ある程度の決めごとは必要だが、時間をとって練習するようなプレーではない。だからこそより一層の注意が必要となる。言ってしまえば、何回コーナーになろうと"その場を乗り切る"ことが大事になってくる。ゴールキックでもいいから自分たちのボールにするまで耐える。それができずに簡単に決められてしまうのは今後の課題であろう。
実はリーグ前半戦でショートコーナーを警戒していたシーンがあった。キッカーがボールをセットしたときに「ショートあるよ」と、キッカーの一番近くにいた選手に声がかかった。実際はショートではなく普通のコーナーだった。
今節、前々節とそういった声は聞こえなかった。少し意識できるだけで違う。あの暑さで余裕がない、自分がプレーすることで精一杯かもしれない。でも、意識が変わればプレーが変わる。しかも前はできていたこと。元に戻せるかどうかは時間の問題だ。

◯わたしが感じるプラス要素
①両ウイング(サイド)の活躍
西田、嫁阪の両ウイングの活躍はここ数試合異彩を放っている。2選手ともドリブルで突破することもできるし、クロスを送ることもできる。奈良の攻撃を活性化させ、リズムを生み出すことのできる選手だ。ゴールも挙げており、今や欠かすことのできない存在となっている。
攻撃、という部分ではLSBの加藤の活躍も大きい。毎試合フル出場が続く中で、試合の後半にドリブルで突破できる強靭なスタミナがある。ディフェンスで鉄壁の守りを見せることは言わずもなが、その上で攻撃参加ができることはチームにとっていい刺激となるはずだ。
②チームとしてやりたいことの明確性
勝った試合でも負けた試合でも、チームとしてやりたいことをやれているように思える。奈良は「パスを繋いでゴールまで持っていく」スタイル。自分たちでボールを保持することで攻撃へと繋げていく。むやみやたらに放って攻撃の選手を走らせよう、といったことは観ていて少ない。縦へ放るボールが出るときは、明らかにウイングやトップがフリーでボールを受けられる状態になってからボールが渡っている。
守備についても誰がどの選手にどのくらいの距離で詰めるのか、がはっきりしている。中途半端にマークについてずるずる引きずることもない。受け渡しも明確だし、カウンターで相手に攻撃されても1vs1が落ち着いているため、攻撃を遅らせることができる。そうなると守備にかかる人数が増えて周りもカバーに入りやすい。これは一ついい循環と言えるだろう。

◯わたしが感じるマイナス要素
①ギアチェンジ
これは控えメンバーに意識してほしいところ。ピッチに出ている選手で試合をコントロールしなければいけない中で、交代で呼ばれることの意味を考えてほしい。交代した選手と同じクオリティではなく、それを一つ超えるプレーや振る舞いをしてほしい。誰が出てもクオリティが変わらないことは、奈良クラブの良さでもある。だが、同じであれば替える必要はないし、出るならば何かピッチに変化をもたらしてほしい。自分が声を出す、積極的にプレスをかけにいく、何でもいい。"変化"が欲しい。今、それをできる選手がいるかと言われると疑問に思う。
②選手からの声
声を出すことは体力を使う。走りながら声を出すことはもっと体力を消耗する。90分戦い続ける中で、力を出すところと抑えるところで差をつけなければ戦い抜くことすら難しい。
前述したとおり、意識できればプレーが変わる。アルナウが相手ボールになったとき「ボール見て!」とよく声をかけていた。あの声の重要性が今とても問われる。今節失点したシーン、相手がコーナーにボールをセットしてプレーを再開したとき、奈良の選手は誰もボールを見ていないように見えた。「ボール出たぞ!」と誰か一人でも声を出しただろうか。当たり前のことでいい。「ボール頼んだ」「俺がマークに行く」声をかけることは余裕を生み出す。この余裕ができると、パスを多く回す奈良の強さがより濃く出てくるだろう。

◯雑感
負けた試合の考察は初めて。どんな試合にも意味があり、まだ勝ち負けで何かが決まる段階ではない。この先、奈良クラブにとって重要になってくるのは"パッションの持ち方"だと思います。
今節、負けた上に見応えのないつまらないゲームとなりました。惜しかった、どころの話ではありません。退屈と思える試合展開でした。(実際、残り10分になったところでDAZNを観るのを止めようかと思いました。)
考え方によっては"諦め"と見てとれると思います。点差から言えば追いつけるし、失点したあとも時間はあった。でも本当に点を取るつもりがあったのか。追いつこう、逆転しようと思ってプレーをしていたのか。わたしにはそれが伝わってこなかった。

勝とうという気持ちが見えなかった一番の理由。
どの選手とは言わないがシュートをはずした後にニヤニヤしていたこと。素直に感情を出すのは構わないが、ビハインドで絶対に点が欲しい状況でそういった態度を見せられたのは非常に腹立たしかった。本人がどういう思いでそういった表情を浮かべたのかは分からない。自分の勘違いであってほしいと願う。

文字面で熱い気持ちを書き連ねることは簡単で、それを実際に行動に移し、気持ちを乗せていくことは単純なようだが複雑で難しい。
"サポーターが熱くしてくれる部分"も選手にとっては少なからずあるだろうし、そもそも負けると思って試合に臨む選手などいない。根はみんな熱い気持ちがあるはずだ。

あとはそれをどうやってピッチ上で伝えるか。
そこなんだ。そこの差なんだ。

どうしたって点を取られたら気は沈むし、ミスをしたらヤバいって思う。気持ちが下がったとき、取り返してやろうとか、次やってやろうって自らを奮い立たせ、熱くなれているか?

パッション=情熱

情を熱くするもの、熱くさせてくれるもの
見失ってはいけない。取り戻してくれ。

21節が終わり7勝7分7敗。わたしの中では想定内。ただ、この引き分けと負けの中に、勝てた試合が何試合かあったことを考えると、10勝はしておきたかった、というのも本音ではある。
でも、思い返せば第1節の松本山雅戦、みんなガチガチでいつも通りやってるつもりでもどこか噛み合わなかった。あれから試合を重ね、自分たちらしさが出てきた。Jリーグ初勝利、破竹の勢いで4連勝、失点も少なく、堅守の奈良クラブとも言われた。

今までやってきたことは何も間違ってはいない。
もっと自信を持ってやってほしい。
辛くなったら、苦しくなったら、周りを見て。後ろを振り返って。

そこには共に戦う仲間がいて、サポーターがいる。

奈良クラブなら、まだまだやれる。
いつかこの沼から抜け出したとき、そのときはまたみんなで笑い合おう。

では、この辺で。