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渋谷すばる『NEED』

2020年11月11日発売、渋谷すばるの2ndアルバム。発売日は今日だけど、6日からiTunesをはじめ各サイトで全曲先行配信されていた。Twitterでも広告がよく流れていて、30秒ぐらいだけど収録曲を聴くことが出来た。

ジャニーズ事務所に所属していた頃から、歌唱力の評価の高かった彼がグループを脱退してリリースする2枚目となる作品。前作は聴いていないが、プロモーションで聴いた曲がよく気になったので全て聴いてみた。

過去に『味園ユニバース』という映画を観た時、渋谷すばるが主演で劇中歌や主題歌も彼であり、「ココロオドレバ」という曲を当時エンドレスリピートしていた記憶がある。なので期待して再生。

M1.「Sing -a cappella-」プロモーションで聴いた曲だ。その曲のアカペラから始まる。"歌が必要だ この世界中に 歌が必要だ どんな時代も"と歌いあげる。まさにその通り。歌い方も少し粗くて、心で歌う姿勢が伝わってくる。

M2.「Earth Color」出だしのギターリフでどことなくTHE YELLOW MONKEYのエッセンスを感じた。多分だけど本人も影響を受けていると思う。"塗り替えられた青や緑は 哀しみを超え いま何をうたう" という比喩表現も吉井和哉と似ていると思う。好き。笑

M3.「BUTT」スタンダードなロックナンバー、初っ端から激しいブルースハーブが炸裂する。次は甲本ヒロトのような感じがする。M2.が少しトーンの暗い曲だったのに対し、こちらは爽快。ブルースハーブも上手いし、歌もさすがだ。この時点でめちゃくちゃ良い。

M4.「Noise」最近は部屋でひとりで過ごす人が多くなったし、色々考えてしまう人が多いように思う。この曲はそんな時にそっと寄り添ってくれる普遍的な1曲。

M5.「水」題の通り、流れに身を任せていようという。最初から最後まで韻に拘った作詞法で、こんな事もやってしまうのかと。

M6.「風のうた」非常に聴きやすいミドルナンバー。君と僕の抽象的表現の中に時にストレートに"見えそうで見えない奥ゆかしさよりも 躊躇なく下品に見せられたい"という詞に共感。素朴なフォークソングというか、親近感が沸く。

M7.「たかぶる」前半1分30秒に及ぶ前奏はちょっとしたブルースセッション。その直後、"俺には分かるぜ〜"とロックンロールが始まる。こちらはM3.の曲よりもヒロトっぽさが際立つ。

M8.「今日はどんな一日だった」ストレートな詞のフォークソング。コード進行も明るく、アルバムの中でも箸休め的な1曲。

M9.「人」歌とピアノ、シンプルな演奏、詞も言葉数も少ない。"人を傷つけてはいけないよ" 傷つけた自覚のある人だから言えることなのかな。アウトロが長いので考える時間が増す。ここでのブルースハーブは優しく穏やかな気持ちになる。夕方に聴くとマッチしそう。

M10.「素晴らしい世界に」こちらも静かで優しい楽曲。それでも渋谷すばるの歌は力強く伸びがある。この曲は少しエレカシ風というか、色々なロックミュージシャンから影響を受けているのかな、と思わせる。ラストのロングトーンも本当に心地よい。

M11.「Sing」このアルバムで初めに知った曲で、フルで聴きたかった曲。1番歌いたいテーマはここにある。言葉で表現する事は難しいけど、とにかく""歌が必要なんだ"という歌"で、これは考えるより感じろ!のやつ。笑

初めてアルバムを通して彼の音源を聴いた。総括するとめちゃくちゃ良いボーカリストだと思った。
結構ロックなんだけど、繊細な部分はフォークやブルースに落とし込むという。そして何より歌に歌心があるというか、技術云々とかより天性のモノを持っていると思う。これからも注目したいアーティストだ。

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