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10-FEET『4REST』

2005年5月25日発売、10-FEETの3rdアルバム。ジャケットにも小さく3rdとなっている。インディーズで1枚リリースしているので、メジャーデビュー後2枚目のアルバムとなる。

高3の秋、大学受験が迫っている状況だった。公募推薦が始まる大事な頃だったのに風邪で熱が出て、学校や予備校を休むことになった。

病院で風邪薬をもらいに行く。熱があっても日によっては元気な時がある。そんな時は自転車でふらふらする元気もあったので、学校を休んでいながら、何となくサイクリング。

いつもあまり通らない道を20分ぐらい漕いで、普段は使わないゲオになんとなく入って、安売りのワゴンを漁っていたらこのアルバムが400円。1度も聴いたことのないバンドなので、これを機に購入。ここから、10-FEETにどっぷりだった。

M1.「4REST」1曲目からわりとガツンとやられる。メロディックで聴きやすいけどテンポは速いし、けどコーラスは綺麗で、少しラテンっぽいアコギやフルート?みたいな音もするし。"弱音吐いて泣いてなんぼ 耐えて耐えてまるで人形"という歌詞で、「あ、この人たちは味方だ!」という認識に。

M2.「MONKEY」サビの"嘘ついてサボるのも重要だ"を真に受けすぎて結構サボり癖が付いてしまった‥人のせいにしてはいけないけど。笑 明日生まれ変わる、元々猿!と歌われるとどうしても楽天的な思考に誘われてしまう。

M3.「VIBES BY VIBES」ライブでも定番の曲。Aメロ、Vo./Gt.TAKUMAの独特の発声での難しいリズムの乗り方+放言の詞、「2%」という曲でもこれをやっていて、彼のオリジナリティーであり情緒のある表現だ。Bメロで割りやすいメロ、サビは韻を細かく刻む詞とがなり声、色んな声が出せて多彩だ。

M4.「BUZZING」シングル曲。ここまでノリノリだったが、こちらはミドルナンバー。"誰よりも優しさをただ求めてるあなたへ 届かない歌 歌う" 悲しい事があったけど、いずれはそれも昔話になるから大丈夫と言ってくれるような気がして、TAKUMAの詞は繊細な人によく刺さる。知名度はあまりない曲だと思うけど、Bメロとサビが秀逸だ。

M5.「LITTLE MORE THAN BEFORE」アニメ『BECK』の劇中で主人公たちのバンドが演奏して歌うために制作されたらしい。当時アニメを観ていなかったし、知らなかった。サビ以外は少しOasisの「Don't Look Back In Anger」を彷彿とさせる構成だ。

M6.「BE NOTHING」全曲とは打って代わってハードコアな楽曲。イントロから激しいシャウトとギターの歪み。対照的にサビはBa.のNAOKIが歌の主線をポップに歌いあげる。TAKUMAがコーラスに回るというそのギャップも楽しい1曲。

M7.「IOWA」アメリカのアイオワ州のことは分からない。とりあえず歌詞はノリ重視というか、やりたいこと見つからないんだけど、とりあえず笑っとけ!みたいな感じかな?

M8.「HEY!」シングル曲。歌おうとするととても難しい。Bメロ風のサビのみ日本語詞で"少しずつつまらない大人に近づいていく"という所、よくあるフレーズだと思っていたけど、やはり年月が過ぎると‥共感の度合いは上がっていくものだと思った。

M9.「Exodus」このアルバムの中でもお気に入りの曲。これも「VIBES BY VIBES」みたいにサビで軽快に韻を踏みながらの歌メロで、これが10-FEET節か!と決定付けられた。ゴリゴリではないけど、ミクスチャーロックというか、ヒップホップやレゲエも好きなんだと認識できる。

M10.「MOVING is CHANGING」今度はこれまでAメロでやってきた歌唱法をサビでやってしまう!"他人の心が理解出来ることは時に自分が傷ついていくことになるけど 傷のない心には決して染み込まない 許し与え そして忘れてゆくこと"

M11.「Freedom」M8.との両A面シングル。ライブではこちらの方がよく演奏されていた印象。この曲のサビではオーディエンスは肩をくみ、サークルを作って楽しく飛び跳ねる。このサビも大好物。AメロではTAKUMAのダミ声も大炸裂してるし。ハードコアな部分とポップの塩梅が丁度良い。

M12.「GOING CRAZY」全英語詞、ミドルテンポの爽やかなナンバー。クリアなギターのアルペジオが好き。歌詞はとにかく前向きで、全編通してそういうテーマだから、ここまで大暴れしてきたし、ラストに相応しい1曲だと思う。定番曲がよく聴かれがちだけど、こういう曲も見逃してはいけないな。


このアルバムの前作には「RIVER」という彼らの代表曲が収録されていて当然楽しいアルバムだが、まだ聴いたことのない人にオススメするなら僕はこのアルバムを選ぶ。このアルバムの次、そして次の作品もあるけれど、やはり『4REST』が1番良曲が多いというか、ピンと来る曲が多いように思う。自分がこれから入ったからもしれないが‥。

とりあえず悩みなんて吹っ飛ばしてくれる爽快なアルバムで、10-FEETという最高のバンドとの出会いのアルバムだ。まさかこれきっかけで毎年ツアーに行くことになるとは、買った時は考えもしなかった。

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