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理系の末路

"末"を語るにはまだ若過ぎるが、その片鱗を見てしまった。

こんばんは。ムミニキです。
最近転職をしました。
コロナ禍でもしっかり売上を伸ばせる分野にいこうと考え、電気系から化学系(半導体業界)に転職した。

全くの異業種なので覚える事は多いが、今までの経験で十分カバー出来てしまうからか、やや退屈な研修期間を過ごしている。
そんな中、ちょっと仕事に刺激が欲しいなと思っていた頃に部門長との面談をぶち込まれた。慣れて仕事をなめている時にこそ、こういう事が起こりがちである。
部門長とお話するのは採用面接ぶりである。やはりお偉い人との面談と聞くと身構えてしまう。

緊張しながら望んだ面談の内容は、やや刺激的な内容だった。概要は以下の通りである。

君には営業も出来る技術者になって欲しい。
この部署で一番の得意先は彦根にある。営業だけじゃ客先のニーズに答えられないから、技術の〇〇君が彦根にいて対応してもらっているが、彼が来年役職つけてそっち(俺の部署)に戻るからその後釜に入って欲しい。

と つ ぜ ん の て ん き ん せ ん こ く!
初出社から1週間してからの出来事だ。
そして何気に責任が重い仕事を振られそうになっている。
俺は未経験の新人だぞ?本当に俺でいいのか?実地で育てるスタイルか?なんて刺激的なんだ…。
しかし重役の抜擢に多少驚きはしたものの、意外なほど冷静な自分がいる。
転勤か、ほなブログのネタにしたろ、くらいの気持ちである。

冷静でいられるのは、「理系の末路」を知っていて、自分も例外ではないと覚悟していたからである。
そして彦根への転勤は末路に至るまでの序章にしか過ぎない。
まだあわてるような時間じゃない。

今回はそんな「理系の末路」について語ろうと思う。

みなさんは理系と言われて思い浮かぶイメージはなんだろうか。
フラスコ片手に白衣を着たメガネなんてステレオタイプを思い浮かべるのだろうか。
英語がびっちりプリントされたTシャツにロールアップのチノポンを履いた、芋っぽい大学生を思い浮かべるだろうか。
お金につられて韓国や中国の企業に買われてしまう売国奴だろうか。
技術大国日本を根っこから支えているのは間違えなく理系の人間である。
しかし理系の人間をイメージしたとき、そこはかとなく不遇な印象を受けてしまうのはなぜだろうか。

みなさんは文系か理系かの判断はどのようにしただろうか。
これは偏見になるが、数学が苦手か苦手じゃなかったかで選んだ人が多いと思われる。

俺はどちらかと言えば国語の方が得意だったのだが、数理に苦手意識がなかったこと、文系理系それぞれの就職先一覧と内定者の大学名一覧を見て理系に行った方が得だなと考えて理系に進んだ。
得というのは勿論学力が低くても大手企業に入りやすいという意味である。
苦手意識は無いとは言え、数理ができない理系だったので無事国立大受験は失敗し、センター利用でなんとか合格出来た私立に入学した。

受験に失敗したとは言え、思惑通り大手企業に入社できたわけだが、理系を選んで正解だったのか、不正解だったのか、その答えはまだ見つけられていない。
思惑通り大手企業に入れたとはいえ、どうしても「理系を選んだ事による弊害」と「もし文系を選んだ際に得られていたモノや経験(推測)」を比較してしまうからだ。
失ったモノを数えても仕方が無い。本来は「理系を選んだ弊害」と「理系を選んだ利益」を比較すべきなのだから。

では理系を選んだ弊害とは何か。それは主に2つあげられる。
①研究施設の問題でキャンパスが田舎に隔離される
※理系の主な就職先になるであろうメーカーも理系部署は田舎にある事が多い
②男女比の偏りが酷く、女性耐性が消滅する

まず高校で理系を選んだ人間は、田舎のキャンパスに男だけで隔離される大学生活を送ることになる。
そんな環境では、同性代の女子とまとも会話すること無く卒業する事はさほど難しい事ではない。
理系男子の3割はそれに当たるだろう。
※近年の理系男子はコロナの影響でもっと酷いのではないか。
残りの7割は女子がいるサークルに入るか、女子がいるバイトをする事で"会話"する事が出来ている。
サークルの女子に関しては、他の男共がほっておくわけがないので、会話のみで終わった人が多いだろう。
そんな中うまくだし抜けたもの、大学での出会いを諦め外部で出会いを探したものだけが女性経験を積んでいく。
そんな理系男子は全体の2,3割ってところだろう。 
俺は決して恋愛至上主義では無いのだが、そういう経験がないまま社会に出るのはメンタル的に危険だと思っている。

ただ女性関連に関しては不遇としても、真面目にレポートを提出していればご褒美がある。
どんなに女性と会話ができなくても、ボーダーフリー(所謂Fランク)でもなければ、学部生の2割は大手企業へ内定が決まる。
有名大の理工学部なら半分は大手企業に入る。
理系に求められるのは、語学力ではなく、気遣いでもなく、リーダー経験でもなく、コミュ力でもなく知識と勤勉さなのだ。

大手企業に入れたからまともに恋愛できるのかと言えば、そんなわけがない。
会社と恋愛する訳ではなく、あくまでも人と恋愛するからだ。
女性経験の少なさによる弊害は入社直後の研修から浮き彫りになる。
入社直後は研修で同期と動く事が多い。勿論そこで同期の女の子と仲良くなるのは営業の人間である。

何から話したら良いのかわからず、セクハラに怯え差し障りのない事しか話せず、特に印象を残せぬまま同期と離れることになるだろう。
理系男子が配属される部署は大体田舎にポツンと立っている事業所で、そこに生息しているのは自分と同じように死んだ目をした男ばかりである。
そこでは入社前に調べていた平均残業時間があくまでも"平均"である事を知る。
人事や総務などの間接部門を含んだ平均では見かけが良いが、生産技術や設計開発部門は36協定ギリギリを攻める時間まで働かされる。
田舎で残業続き、休日は体を休める事に集中して終わる20代を過ごす事になる。
ゾンビのウイルスのように、死んだ目は感染する。
日々このままでいいのかと悩みながらも何から始めたらいいのかわからない。
田舎は嫌だが、都会に出る体力もない。
なんとなく始めたマッチングアプリではメッセージが続かず退会。続くのは競馬だけ。
ウブな女の子と甘酸っぱい恋愛をしたかったという青春コンプレックスはいつまでも解消されない。自分と同い年の女性はもう既に酸いも甘いも経験し、擦れてしまった人しかいない。

30手前になると余ったお金を車やキャバクラに溶かし始める。お金があるから女の子と長時間話せるが、退店後に残るのは虚しさだけ。本当に欲しかった青春はそんなものじゃ取り戻せない。
そしてお金目当てと知りつつも、女性耐性がないが故に、求められているという承認欲求と守らないとという正義感により、シングルマザーやキャバクラ上がりのフリーターと結婚してしまう。

大分偏見が入っているが、非モテ理系男性の人生は大体こうなってしまうと思っている。
勿論ちゃんとした大学に入り無事卒業し仕事に就けるだけでも凄いが、そこで失う青春とその後遺症は計り知れないと思われる。

俺は恐らく来年の今頃には田舎に飛ばされてしまう。
今このタイミングで田舎に飛ばされてしまったら、何をすれば良いのか分からなくなってしまうような気がする。
そのまま仕事にだけ打ち込んだ先に残るのは、そこそこの貯金と管理職という肩書きだ。
それでも冷静なのは、自分がいつかこうなると知っていて何か打つ手を見つけられる自信があるからなのかもしれない。

なんて書いてみたが、実際は打つ手なんて何も考えていない。
これから1年で"理系の末路"を避ける為に必死に考えてみます。

おしまい。

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