年を取った教師は、生徒に伝統的な知識への興味を持たせることに失敗する
5.6.2021
太陽のサビアン
牡牛座16度
年を取った教師は、生徒に伝統的な知識への興味を持たせることに失敗する
Rudhyar: An old teacher fails to interest his pupils in traditional knowledge.
そして、Materia Prima Oracle から出てきてくれたカードは
29 • Copper【 数字変換すると 73 】
牡羊座29度
天球の音楽
Rudhyar: The music of the spheres.
♘ 29度
自分の考えを確立し「内面の声を聴く」という度数
双子座13度
有名なピアニストが演奏会を催す
Rudhyar: A famous pianist giving a concert performance.
♘ 13度
今までの流れを破壊し、新しいものを打ち出すという度数
「銅」から導き出されたサビアンシンボルが、どちらも「音楽」にまつわるもの、というのが非常に興味深くて(きっと偶然、なのでしょうけれども。笑)でも、宇宙の構成要素である「元素」と、天体の詩であるサビアンシンボルが、きっとどこかで繋がっているのかもしれないと、そんな風に思ったりしています。
個と個を「繋ぐもの」
この「有名なピアニスト」は、鍵盤にそっと指を置き、凜とした空気の中、最初の音を生み出そうとしている。彼の指が鍵盤をたたくその瞬間、ふっと空気は揺らぎ、そしてたちまちに「自分の音」が人々の心を満たしていくのです。彼は、静寂を「破る」瞬間の「怖れ」を乗り越えて表現する姿を通して、人々に『「この私」の在り方』を見せてくれているのかもしれません。
そして、その次の幕があがると聴こえてくるのは、「天球の音楽」
楽団員一人ひとりが楽譜のパートを担ってこそ全体的な「音楽」となるように、各々の存在があるからこそ美しい音を奏でることができる。きっとそこには「一体化」の意識と「自らの音にも耳を澄ます」という「個別化」の意識、両方が働いているのかもしれません。
個と全体を繋ぐもの
個であると同時に全体であるという意識
その「個」と「個」の間を染み渡っていくように熱(全体であるという意識)を伝導するのが、ここに出てきてくれた「銅」なのだと、そんな風に思いました。
社会や時代の「病」は、私たちに「自分とは何か?」と問うてきます。しつこいくらいに。その時、「有名なピアニスト」は今までの流れを「破壊」することによって、自己という、今まで行ったことがなかった深い深い場所へとあなたを連れて行くでしょう。「当たり前のように」自分の中にあった「観念」は破壊されます。そして今度は「天球の音楽」に象徴される「再生」の動きを通して、新たな自分をも入れ込んだ「全体性」が再びそこに建ち上がる、ということなのかもしれません。
きっと、この「年老いた教師」は、人生の神秘を自分の生徒に解こうとしているのだけれど、それはまだ、生徒の中の誰にも響くことはありません。牡牛座16度がもたらすテーマ、というのは「いかにして知恵を手に入れるか、自分のものとするか」ということで、このサビアンの詩は、知恵の「ありか」は人によってまるで違うのだ、ということを伝えてくれているのでしょう。
その「個」と「個」の間を縫うように伝わる「熱」つまり全体エネルギーの中に、何処かの誰かが今が必要としているかもしれない「知恵となりうるもの」は漂っていて、どれを拾い上げるか、何が必要なのか、の判断基準、軸は「個」の中にすでにある。
人生の神秘とは、全ての人にとって同じということはなく、各々が「共鳴」を覚え、気づき、体験を伴うことによってのみ「知恵」となるのだけれども、その「知恵の種」は全体の中に浮かんでいる、ということなのかもしれません。
今、この「何が真実か」ということを見極めるのが、非常に難しい社会においては、正誤関係なく本当に様々な情報が、それこそ熱を伝うように広がっていきます。だからこそ、その中から「今の自分に必要な知識」を「必要な分だけ」選び取っていける力が大切ですし、さらにはそこに実体験を伴ってこそ、真理の気付きが得られるのだ、ということを、この「年老いた教師」と「生徒たち」との関係性は教えようとしてくれているのかもしれません。
今日のあなたに「差し出されるもの」と「受け取るもの」の間に、あなたがちゃんと「存在」していますように。素敵な一日をお過ごしくださいませ。
Moon Garden