語りつごうアジア・太平洋戦争 5

ミッドウェー海戦-解読されていた暗号-

仕事をしていて思うことに大局観を持って俯瞰して考えるタイミングがある。そのために歴史について学びたいと思っている。
自分自身が行っていることが正しいのか間違っているのか混乱するときがある。人生の大半の時間を費やす以上、自ら生み出す事業については社会に役たち利益を得るものと考えている。事業で行う所業についてなによりも貶める事はなんだろうか?
その一つに社会にとって値しない事業を提供しつづけることだと考えている。はっきりいってしくじり事業である。ただそれを失敗とみなすのではなく、どんな背景があり、どのような組織風土があり、どんなベクトルがあり、結果として言動に結びつくのか流れを理解しなければ、判断できない時がある。そのために歴史について学んでいきたい。
歴史の転換点となるものの特徴を理解するには現在がどうであるのかという状況認識が必要だ。そして未来過去の状況を予測すること。
特に歴史といっても、身近なところから学びを進めていければ実感や経験に基づく学びが得られるということで、日本の歴史を学んでいく。

このシリーズは児童向け、小学生高学年を対象として書かれている。内容は太平洋戦争となる。内容は難しい。私が小学生だったときは全く理解不能だった。内容は主に初期のミッドウェー海戦やガダルカナル島での米軍との交戦である。本編を読んで感じたのは、戦争において犠牲になるのは一般国民ということ。情報の取り扱いが戦争のカギを握ること。
登場人物は、日本国を主人公として、周辺国であるアメリカ、中華民国、植民地国のビルマ・タイ、フィリピンなどのオセアニア諸国となる。
日本国は昭和恐慌に始まる、景気対策としての領土拡大政策にある。当時日本はアメリカに大量の生糸を輸出していたが、恐慌により輸出量が減っていき、日本国内が貧しくなっていく。日本はこれからは貿易に頼らずに、自力で生きていく力をつけようと考え領土拡大政策をとるようになった。中国に侵略。列強に弱点である石油を禁輸され、東南アジア、東アジアに戦線を広げていく。

本書は、1942年6月に行われた、太平洋戦争の戦局が転換するきっかけとなった戦いがタイトルとなっている。日本海軍は、真珠湾攻撃で活躍した航空母艦(空母)など4隻を失う大敗北を喫した。日本側の死者は3,057人にのぼり、その中には多数の優秀なパイロットが含まれていました。何が、日米の命運をわけたのか?
東京大空襲を行ており一つの転換点となっている。

当時、米国にはすでに日本軍の暗号が解読されており筒抜けだった。日本軍はアリューシャン列島かミッドウェー諸島に駒を進めようとしているのは推測できていたが、どちらかがわからなかった。

暗号は解読されているもの、情報は知られているかもしれないという杞憂をなしに作戦が続行されていたことがうかがえる。
当日の本営の致命的な弱点を示そうと思う。思うに、上述の政府や軍部の迂闊さ、恣意性、視野狭窄はこの弱点から来た。同一地域同一時代の組織からのみ成り立っていること。そして、新しく脳を加えていくにしてもその対象を選定する主体が、既存の中核メンバーからなっていることである。現在目に見える事実のみをもって思考することの危うさ。あらゆる場所で見られるこの種の浅はかさへの洞察がこの作品にはある。

事業戦略をを遂行するにあたって、競合他社はその先を何手も見据えたうえで、技術開発を行っており、販売戦略も立てていることがある。なので小手先の数手で、自社都合の設計思想、販売体制、サービス体制であると、こてんぱんに打ち負かされ、顧客から論破される。
相手はチェスのなんて先も読む相手である。それを肝に銘じて、自身も作戦を練っていきたい。