ふざけるなと叫んだ日

「とにかく引き取ってもらえと言われていた」
私は社内に積みあがる在庫に対して、顧客に前倒しで引き取ってもらえと上司から指示を受けていた。

 「上司からとにかく引き取ってもらえと言われていた。社内滞留が許される空気はなかった」。私は焦っていた。

 月末が迫ったある日。生産管理として「引き取りはルール上認められない」とその意味を尋ねると、「自分には決定権はない」「担当者同士でやりとりできないなら上を通すしかない」ときっぱり言われた。

 今まで納期対応してきた誠意を裏切るようなその口調に腹が立ち、気づけば、私はどなっていた。

 「ふざけんな!いい加減にしろ。ルールを勝手にかえやがる。裏切ったな」

 明朝、別の部署からのドンと呼ばれる人から何があったと連絡があった。自分は猜疑心に駆られていた。同じ言葉を言い放った。

私は今、営業マン個人が精神的に追い詰められ、感情的になる心理や背景も語れるように指導している。「元暴言営業マンが何言っているの」と言われることもあるが、「批判は自分が犯した過ちへの代償。受け入れ続けなければいけない」思っている

 営業マンが日々考えていること悩んでいることを赤裸々に語ってくれる。背景の理解につながり、冤罪防止の活動を広げる力になるように心がけている。暴言を吐いた事実は変わらない。自分にできるのはその十字架を背負って、なぜ間違えたのかを考え続け、発信することと思っている。