それぞれの暮らしに帰っていく

運命が変わる瞬間ってやつはいつだって一瞬で、そしてやっぱりあっという間だ
いまも考えなくても思い浮かぶ景色
思い出そうとすると蘇る光景
ふとことばで投げかけられると連なるイメージ
もう消えて行って帰って来もしない歌とリズム

もうずっと僕は一人で生きるんだと思っていた
それがどんどん変わっていく
青春はいつか、終わる
それがいつだったのかすら覚えちゃいない
そしてそれぞれの暮らしに帰っていく
まるで凄く素敵なパーティーの朝のように
それぞれの暮らしに帰っていく
そしてそんな日々があったことも忘れて
太った、白髪混じりのおじさんになる
それも満更じゃない
あっという間だった

可能性という、未来という、けっきょくのところ、輝いているからその真ん中に何があるかよく分からないものだけが、拡がっていて
あの子の顔が眩しいから、目を瞑った瞬間に消えてしまった
繋いでいたはずの手が離れた
そしたらもうその手とは手を繋げなかった
それはもしかしたら自分の手だったのかもしれない
それはもしかしたらあの子の手だったのかも、実は分からない

青春がいつの間にか終わっていた
満更じゃない
それがいつだったのかは分からない
だからってわけじゃないけれど、またはじまることがある
いつかあの日々も忘れていくんだろうな

それでも、歌は響いては消えていく
響いては消えていく

才能なんてものは実のところ、どうだって良いのだと思う
ほかのたくさんのことだって、実はどうだっていいのだと思う

僕は僕を見つけた
僕は僕のなかにある音楽を見つけた
僕は僕のなかにあることばを見つけた
それはけっきょくのところ、愛情のことであり、情熱のことなんだと思う
音楽がかかっているときのあなたの笑顔
リズムをとってみたり
歌詞を口ずさみながら
音楽に耳をすますあなたの笑顔
それ以上に大切なものなど、僕はほかに知らない

#ポエム
#フラグメンツ
#ことのは

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