貧しい日々も
回転しないあたまで
電球が半分切れた蛍光灯の下
ユニットバスの換気扇はうるさくまわり
何も入ってない冷蔵庫はもはやオブジェ
洗濯機だって壊れたまま
うすぼんやりと部屋から見える電車
誰も乗っていない電車
電気、ガス、水道
家賃の支払いに追われた生活
もうずっとこんな日々
どうやら、向こう側にはついにたどり着くこともなく
溺れてしまいそうな夜
またあの、すべてが目の前にある瞬間がやってくるとは思わなかっただろ?
それでも歩いて来たんだろ?
歩いていくんだろ?
ひとりぼっちで
闇の底まで身を投げそうな夜
藝術をやってるひとの凄さはそこにあるのかもしれないね
ほら、這い上がって来たときに鳴らされる音とことば、
その瞬間がどれだけ輝いているかを知ってるのだから
いまは同じ夜を別に歩く
頼りない小さな、掻き消されそうな声に耳をすます
またあの、すべてが目の前にある瞬間がやってくる
それでも歩いていくんだろう
夢を見るんだろ?
ひとりぼっちで
すべてが目の前にある瞬間がまたかたちも呼び名もかえて、
立ち上がる
それまでは夢を見て、眠ればいい
すべてがまた目の前で起こるから
すべてがまた目の前で起こるから
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