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Short Story

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散文詩風な超短編から、プロローグ、ショートショートを含む短編小説。
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#日常

【SS】梵天花(2010/12/31)

 ――小さな綿の花が揺れていた。 「ここ、どうですか?」 「うん、なかなか気持ちいいよ」 「う~ん……じゃあこれは? 痛くはないですか?」 「大丈夫だよ。沙織さん、ずいぶんと手慣れてるようだね……」 「ふふふ、そうでしょう~。実はけっこう好きなんですよコレ」 「そうなのかい?」 「はい! 終わった後の達成感も堪りませんし、お互いに気持ちいいじゃないですかっ」 「やってもらっている私はともかく……沙織さんまで気持ち良くなるものなのか? これで?」 「うーん、なんて言うかこう…