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SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 序章

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何度も繰り返される人生。何度も繰り返される悲劇。 足掻いても足掻いても結末は変わらない。 そんな人生がまた始まる――はずだった。 あの日、あの時、二人が出会わなければ。
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記事一覧

第34話 プロローグの始まりはもう間もなく

 次の次の北方辺境伯を継ぐかもしれない人物。彼はそれに相応しい人物であるのか。こんなこと…

月野文人
1年前

第33話 悔根と感謝

 ブラックバーン家の王都屋敷内には緊迫した空気が漂っている。現当主、北方辺境伯コンラッド…

月野文人
1年前
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第32話 やり残したこと

 裏社会の縄張り争い。ワ組と彼との戦いはそういうことにされた。当然、それにブラックバーン…

月野文人
1年前

第31話 許されざる罪と分かっていても

 裏中央通りを西門から城に向かって真っすぐに進み、三つ目の交差点を北側に曲がって、最初の…

月野文人
1年前

第30話 三対百の戦いの行方

 ワ組の組長の耳に届いた報告は、化け物と子供に襲われ、五人のうち四人が殺されたというもの…

月野文人
2年前

第29話 あるはずのなかった復讐イベントが始まる

 花街の花は美女と喧嘩。その喧嘩が今日も行われている。ただ、今日の喧嘩は花とするには賑や…

月野文人
2年前

第28話 垣間見える影

 華やかなドレスを身にまとった女性たち。その彼女たちをエスコートする男性の装いも豪奢なものだ。王城で最も大きい広間を、さらにそれに繋がる庭園までも開放して行われているパーティー。王都で暮らす貴族だけでなく、王国中央部に領地を持つ貴族たちも招待されて開かれている年に一度のパーティーだ。参加している貴族たちの気合も違っている。  北方辺境伯家の一員である彼も、パーティーに参加させられている。近頃は、喪に服しているつもりで黒色の服しか着なくなった彼。今日も黒一色の装いだ。ただ、この

第27話 類は友を呼ぶ?

 北方辺境伯家の王都屋敷。広大なその屋敷に置かれている家具はどれも一級品。ダイニングセッ…

月野文人
2年前

第26話 少年は闇を纏う

 悲しみを心の内に宿しながらも彼は前に進んでいる。進むしかないのだ。本来、彼の人生におい…

月野文人
2年前

第25話 残された者の努め

 大切な家族。そう思える存在を失った彼だが、その日常は大きく変わらない。変わらな過ぎて、…

月野文人
2年前

第24話 光が去れば残るは闇

 もう何度通ったか数えきれなくなったくらい通い慣れた道。その道を彼は速足で歩いている。本…

月野文人
2年前

第23話 主人公として、女の子としての選択

 遂にこの時がやってきた。両親から話を聞かされた彼女の心に浮かんだのは、この思いだ。この…

月野文人
2年前
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第22話 ゲームストーリーが動き出した

 危険な目に遭ったことはない、と言えば嘘になる。よそ者には怪しげな人ばかりと思えるだろう…

月野文人
2年前
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第21話 花街で過ごす時は夢幻の如くなり

 桜太夫の行列と共に花街を歩くことになったナラズモ侯爵。道中の好奇の目は心に痛かった。花街の人々は、行列がいつもの太夫道中とは違うことを知っている。ナラズモ侯爵が花街を訪れた理由を知っているのだ。事情を知らない客を除いて、事の成り行きがどうなるかは今日の花街における最大の関心事。誰もが注目していた。  それを周囲の様子で知ったナラズモ侯爵の心に、また卑屈な感情が膨らんでしまう。晒し者にされているような状況なのだ。そうなるのも仕方がない。それに、それで良いのだ。実際に晒し者にさ