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いいんじゃない?

2020年もあと数日、仕事をおさめたクリスマスイヴの前日に高校時代からの友人と夕食を共にした。
近況報告をして、相変わらずうまくいかない恋愛事情に、来年は本気出す、頑張る、なんて言い合った。誕生日が4月と5月にやってくる私たちは、年が明けて、冬が終わったらあっという間に27歳になる。アラサーまですぐだね、なんて笑っていた学生時代が懐かしい。時間はみんなに平等に流れているはずなのに、いつだって早すぎる時の流れに驚かされる。1日が24時間なんてとても足りない。

今年一年を振り返って、仕事では研修期間が伸びたり、在宅を余儀なくされたり、歓迎会のかの字もなかったり、思うように動けなくて、待ちに待った社会人一年目を飾るにはあまりにも酷な一年だった。それでも、そんな環境な中で焦らず腐らずボチボチやってきたつもりだ、そう考えれば上出来だったと思う。
プライベートでは、学生時代より圧倒的に休みとお金があるおかげで学生時代の友人と会う機会もそこそこあったし、友人の結婚に感化されて婚活イベントに参加してみたりと、なかなか充実していたと思う。
そうそう、クリスマスまでに恋人を作る!なんて意気込んでいたけれど、悲しいかな。相変わらずお一人時間を満喫中である。一緒に婚活イベントに参加した友人は、心から幸せ!とは言えないものの、二週間ほど前に恋人ができたらしい。迷走しながらも、ちゃんと前に進んでいるように見えて、それが少し眩しく思えた。


じゃあ、相変わらずひとりのわたしは、前に進めていないかって?
そんなことはない。これでもめちゃめちゃ前進したと思う。
だって、今まで合コンの一つも参加したことのないわたしが、出会いの場に乗り込んだんだよ?それも2回も!
もちろん参加したこと自体も成長というか経験を積んだという意味では大きなものを得たと思うけど、それ以上に、頭でごちゃごちゃ考えてるだけじゃなくって、実際に行動して出会いの場に足を運ぶことでわかったことがいくつかある。
多分、今後、出会いの場で出会った人とうまく恋愛できることはそうないだろうし、そもそもそんなことをわたし自身が望んでいないということだ、少なくとも現時点では。
いや、もしかしたら春先になったら浮かれて友人とまた出会いを求めて街に繰り出すかもしれない。もしかしたら、そこで、今は想像もつかないような出会いが待っているかもしれない。そうなったらそれはそれでいい。でも、現時点では、自分からそういうのは求めていない、ということはわかる。それにはまあ、色々と思うことがあるからで、今回あまりうまくいかなかった記憶がそうさせる、というのもあるかもしれない。

それに今年は、求めた出会いじゃなくて、自然に素敵だと思える人に出会えた。
まあその人にはすでに同棲しているパートナーがいて、わたしが入る余地なんてないのだけど。そういうのを抜きにしても、やっぱり人間的に素敵で魅力的だと思える人。そんな人に、大人になってから出会えるなんて思いもしなかった。
先ほどから話に出てくる友人にこのことを話したら、残念そうな顔をしていた。
そりゃそうだよね。やっと心から素敵だと思う人に出会ったのに、その人には既に相手がいたなんて、恋が始まる前に終わったようなものだ。


26年も生きていれば、人生はうまくいかないことの方が大半だって、嫌というほどわかる。泣いて泣いて自分の要求をめいいっぱい表現する赤子と違って、あきらめることがうまくなる。
当たり前のように簡単に自分の気持ちにフタをして、何事もなかったかのように振る舞う。
だって、いい大人だもん。

そうやって、せっかく出会えた素敵な人に
既に恋人がいるからと、自分の気持ちなんてなかったことにしてしまうんだ。


それでも、前に進まずにはいられないから、うまくいかなかった、始まる前に終わった恋を慰めながら毎日を過ごして、そうやって生きていたら自然と悲しい気持ちなんてあっという間に忘れて、残ったのは人としてとても魅力的で素敵な人で、わたしの憧れで目標、という何とも爽やかな気持ちだった。



本当に、恋愛なんてタイミングが全てなんかじゃないかな、とさえ思える。
もし、この人の恋人より早くわたしが出会っていたら?何も変わらない?少なくともわたしは何のアプローチもしないであきらめる、なんてことはなかっただろう。
そう考えると、少し気持ちが楽になるし、もう、どうにもならない運命とやらに身を任せてみようか、なんて思える。




来年は、ビビビッとくるようなときめきに、どうか出会えますように。

恋に恋したって、いいじゃない。



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