桐ケ谷透子が好きだ。

 私はバンドリが好きで、無理のない範囲でイベントを走っている。ちなみに一番好きなバンドはパステルパレットだ。

 ある日、とある非公式の人気投票の動画を見た。それでショックを受けてしまった。

 その動画では、桐ケ谷透子が最下位という結果であった。その理由を考えてみた。おそらく彼女は「普通のギャル」だからなのだろう。ヲタクたちにとって良いギャルとは「今井リサ」のような子のことだ。(誤解しないでほしいのですが、私は今井リサも大好きです)見た目が派手でおしゃれだけど、誰にでも分け隔てなく接するし、料理が上手で成績が良くて優しい。というギャップがオタクたちが好む「ギャル」というものだ。彼女はそうではない。

ーーでも、私は彼女が大好きだ。

 透子は服飾に才能がある。でも、音楽は全くの未経験だ。それを彼女なりに努力でカバーしている(日菜と同じように感覚型ではあるが)。そもそも私は努力家の女の子が大好きだ。

 「努力しているのなら、バンドリのみんな努力している」という声が聞こえてきそうだ。確かにそうなのだ。私が考える彼女の魅力は「自分の現状を見て『負けたくない』と思い、ひたむきに努力ができるところ」「素直に教えを乞うことができること」だ。

 正直、人間は努力をせずに腐ることなんていくらでもできる。でも、それをせずに「このままじゃだめだ!!」って思うことなんてあたりまえじゃないのだ。

 「ソロが欲しい!」と思ってルイに直談判して、必死の努力の末に認めさせた。また、ソロ勝ち取りのためテストを課されたときも、たえや紗夜や薫の力を借りて勝ち取った。しかも、彼女はきちんと頭を下げてお願いをしている。それは簡単なようで中々難しいことだ。

 しかし、お願いをすることができるのは何故だろう。それは彼女には『自己肯定感』があるからだとわたしは思う。

 彼女は常々前向きな発言をしている。落ち込むことはあるけれど、それに負けない心の強さを持っている。落ち込むことがあっても立ち直れるのは、彼女がいままで愛されて育った証拠だ。

 それは私たちヲタクにはあまり縁のないものだ。だからこそ、私は彼女に対して尊敬の念がわくのかもしれない。