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KERA / LANDSCAPE (2019)

昨年末から今年の5月までの半年間、勤務先が一時的に変わって生活のリズムに変化が生まれたこともあってか、または、6歳の娘とベッドで一緒に寝ているときにカラダを蹴られまくって睡眠が浅いからか。その理由は不明だが、この頃、自分の起床時間が朝の3時である。

「流石に起きる時間ちょっと早いよなあ。俺はもう老人か」とは思うものの、この時間に起きると、妻や娘はベッドの上で夢の世界に入っているわけだから、午前3時から朝の7時ぐらいまではほぼ完全に一人なわけで。いわゆる“朝活”には最適な環境ではある。

そんなわけで、そのひとときは、娘が保育園に持っていく道具類を用意したり、洗濯機を回したりしつつ、昨年から“Notion”で始めた日々の記録を入力したり、本を読んだり映画を観たり、という時間に当てている。

そしてこの時間は、音楽を聴いているときも多いのだけれど、まだ外が真っ暗な中、ギターポップやロックを聴くのも「ちょっと違うよなあ」と思ったりするので、なんとなくジャケットが気になったジャズ作品などを流していたりすることも多い。

そういった近況の中、今日選んで聴いたアルバムは、KERA『LANDSCAPE』。亡父がジャズ・ミュージシャンだったKERAが歌うジャズ・ソング集。2016年にリリースされた『Brown,White & Black』の連作的作品である。

“オザケンみたいな曲を作ろう”という動機でつくり始めながら、それとは異なる形に仕上がった“という「ビパップ・バトン・ビパップ」。そして、BOØWY「B・BLUE」のアコースティック・スウィング調カバー、などKERAならではのポップ感あるセンスが窺える曲を交えながら、スウィングやディキシーランドといったクラシック・ジャズの色合いで歌われる、少し霞んだカラーのノスタルジックな世界。

オールド・ジャズの跳ねたリズムと、KERAのセルフ・ポートレイト的な雰囲気を含んだ楽曲たちが、さほど大きくない音量でスピーカーから流れてくる静かな早朝。それは午前3時に目を覚ましてしまう自分に対する、ちょっとしたご褒美のようなタイムレスなひとときである。

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