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慢慢來〜な台湾生活

【慢慢來】
「ゆっくりゆっくり来る」と書いて、「まん↓まん↓らい↑」と読む。take your time、take it easyみたいな意味。たぶん。

台北に引っ越して、5ヶ月が経ちました。だいぶ慣れてきたけれど、郵便物などの書類系がまだまだ苦手です。

この間から、ガス会社から何度も謎の郵便物が届いていて、当たり前だけど全部中国語でびっしり書かれていて、なんのことだかさっぱりだから、面倒くさがって放置していたら、「これで4回目だよ!!!」みたいな手書きの文字が添えられた紙がポストに入っていた。この紙もまた、しばらくのあいだ放置しちゃってたんだけど、最近ガスの調子が悪い気がしてちょっと不安になり、遂に今朝、マンションの管理人さんに助けてもらおうと決意して、ホコリかぶっていた郵便物をリュックにいれた。一階に到着して、エレベーターの扉が開くと、ラッキーなことに、このビルで唯一英語が話せる管理人のおっちゃんが立っていた。(よし、良い流れ。このまま話しかけちゃおう!)

「你好。ワタシ、ワカラナイ。コレヲ、ドウシタライイノカ。」

おっちゃんは、住人の郵便受けに順々に「お知らせ」をいれていた手をとめて、私が手渡したガス会社からのメモ書きを眺めた。

おっちゃん「あー、これはガスのメーターの数字をチェックして、そこに書かれてる番号に電話して伝えるんだよ。本当は機械で対応するやつだけど、今回はガス会社の人に直接電話しないといけないみたい。中国語で話せないなら、代わりに私が電話してもいいよ。」
私「チェンダ(本当に)?シエシエ(ありがとう)!!!」

急いで部屋に戻り、ベランダのガスメーターをチェックして7桁の数字をその紙にメモり、また一階のエントランスに戻った。

私「この数字であってるかな?」
おっちゃん「OK。おねぇちゃん、急いでる?先にこのポスティングの仕事をおわらせてしまってもいい?」
私「メイウェンティ〜!急いでないから大丈夫だよ。」 

自分のポストに新しく届いていた郵便物たちをソファーの上で確認しながら、おっちゃんの仕事がおわるのを待つことにした。

数分後にエレベーターの扉が開いて、犬を連れた若いカップルがゴミを捨てに下りてきた。この犬がすごく人懐っこくて、まず最初に私の足下に走ってきて、すりすりしてきた(かわいい…!)。そして、おっちゃんの方に走っていった。

「好可愛!」

おっちゃんは作業の手を止めて、犬をなで始めた。飼い主の女性に「買ったの?拾ったの?』とかって、質問しはじめた。

犬を連れたカップルが去ると、彼らに何を質問してどんな回答が返ってきたのかを、英語で一から説明してくれた。そこから、捨て犬問題の話に展開して、おっちゃんは昔、犬の保護センターで働いていたことがあることを教えてくれた。(前に、おっちゃんは昔、Bank of Americaで働いていたとも言ってた。だからこんなに流暢な英語話すんだ〜って納得したもんな。てかすごいキャリアなんだけど。おっちゃんの人生に興味津々!)

犬の保護センターの話を聞いてるうちに、おっちゃんのポスティングのお仕事がおわり、いよいよガス会社に電話をかけてくれることになった。

おっちゃん「你好。なぜなら日本人だから中国語がわかんなくて、御社の忠告を4回も受けちゃっている住人がいるんだけど・・・ごにょごにょ・・・若い日本人だよ。え?いやいや、英語が通じるだけまだマシだよ。中国語も英語も通じない日本人たくさんいるからね。別のビルに住んでたインド人なんて・・・ごにょごにょ・・・」

おっちゃんが前に勤めていたマンションの住人だったインド人の話で、ひと盛り上がり、ふた盛り上がり。おっちゃんは自分で話しながら大爆笑していた。インド人の話で。その様子が可笑しくて可笑しくて、内容の詳細まではわからないけど、こっちまで笑ってしまった。ようやくガスメーターの話に移り、その件を解決させたと思ったら、また別の話題で盛り上がりはじめた。この話題については、ひとつもわからなかったけど、おっちゃんは、まるで昔からの友人と話しているような口ぶりだった。本当に。ガス会社とか電気会社の人に電話して、こんなに盛り上がれるなんてすごい。(おっちゃんの人柄に興味津々!)

おっちゃん「◯◯会社の王さんっていう人だったよ。また11月にこの郵便物が届くから、その時はまた私に言ってね。」
私「シエシエ二ーシエシエ!!!(笑顔)」

なんだかんだで結局1時間ぐらいかかったけど(笑)、なんかすっごい良い時間だった。約束してた時間があったんだけど、今日に限ってたまたま、超余裕をもって家を出ていた。この余裕ナイス。ナイス私。

この余裕がなかった場合の今回の出来事の受け取り方って全然ちがったんだろうな。いや、そもそも余裕がなければ、「いそいでる?」って聞かれた時に「急いでる!」って答えてるだろうから、この展開は起こらなかったはず。余裕から生まれるものに、私はなんだか幸せ感じる。

あと、今朝の「助けてもらおうと決意した」シーン。ここがよかったと思う。自分だけでなんとかしようとすると、ストレスがたまる一方でなかなか解決に近づかない。助けてもらうことを決意した私、ナイス。

「助けて」ってなぜか言えないことが多い気がする。なんで言えないんだろう。それさえ言えたら、喜んで助けてくれる人が現れる気がする。まあ今回のケースも「助けてもらおう」と思うまで結構な時間を要しているけど。時間がかかることもあるかもしれないけど、「助けて」って言っちゃう。そのために、「助けてもらおうと決意する」。これ大事っぽい〜。

慢慢來〜


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