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「汝、星のごとく」読了

本屋大賞をどれだろうと予想して本を読むのが好きで、この本はノミネートされて一番気になる本だと思って買った。
結果、この本が本屋大賞に選ばれていたが買ってから10ヶ月くらいたった昨日読み終わった。
私はどうしても少しずつ本を読み進めるということが出来なくて1度読み始めたら一気に読み進めてしまう。
続きが気になって仕方ないのだ。

凪良ゆうさんを知ったのは「流浪の月」で映画を見に行くほどその内容にのめり込み当時は考えても見なかった世界線にただただ驚いた。
率直に私は映画より小説の方が好きだ。
どうしても映像だけでは伝えきれない本の中に出てくる綺麗な表現がいくつもこの小説の中には詰まっているように感じる。
一瞬で凪良ゆうさんが綴る言葉の虜になった。

そして「汝、星のごとく」
凪良ゆうさんを信頼しきっていた私はあらすじも何も見ずに購入した。
面白いのはわかっていた、当時見ていたいくつもの感想で大絶賛されていたから。

でも私は読み進めてすぐに、「あー、失敗したな」と思った。
島に住む2人の男女が大人になっていくのを描く作品だが、私は本当に島の話が嫌いなのだ。湊かなえさんの望郷なんて息苦しくて最後まで読めたものではなかった。
狭い島は噂がすぐ広まる。みんなが名前と顔を知っている。窮屈で小説の中の人達はだいたい島を嫌っているのになんらかの理由で島から出られずにいる。
そういう話が多いからだ。

ただ、汝、星のごとくは島の話は一瞬で終わった。東京にでた櫂はどんどん変わっていく。対照的にいつまでも同じ信念を持ち続ける暁海、その変わらない暁海に安心感を寄せる櫂なのにそれが上手く伝わらずすれ違いを繰り返す2人。

結婚についての価値感がすごく上手く表されていて、何度も心の中で頷いた。
男同士でも女同士でもペットでも好きな物語の主人公とでも結婚出来たらいいのに。なんていう言葉が小説の中に出てくる。
結婚しないと出来ないことが多くて、結婚したら付きまとう問題もあって。
ただただ一緒にいたいだけなのに、難しい。
私も昔、女友達が好きすぎて「あぁどっちか男だったら良かったのに」とすら思ったことある。友達にもそれを伝えた。
友達は笑ってるだけだったから重いって思ったと思うけど、当時の私は心からそう思った。
今はいろんな価値観があるけど、女同士だからずっとこの先一緒にいるのも付き合うという話になることも無理だと思った。本気で付き合うとかそういう関係になりたかったんじゃなくて好きな人がなかなか出来ない私にとって、こんなに一緒にいて安心できるという特別な存在だったのだと思う。
それは好きという感情とかそういうのではなく、今、恋人を選ぶならきっと条件を見てしまうその子のスペックとか顔とかそういうの全部とっぱらってもちろん体目的とかそういうのでもなくただのひとつの愛の形だったと思う。

愛ってなんだろうね。

ハッピーエンドなのがとてもよかったし、出てくる主人公全員が悪役にならない幸せな物語でした。

続編の「星を編む」絶対読みたい。

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