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年の瀬に豆を炊く

キンキンに冷えたロング缶のビール。
流れてくるロックミュージック。
6月のさわやかな風が吹いていた。
玄関先のポーチで再会に乾杯したその日が最後になった。
別れは突然やってくる。
我が家に届くクリスマスカードが1枚減った。

年の暮れ。黒豆を買い忘れていたことに気づいた。ダウンタウンまで買い物に行く気になれなくて、放置していたうずら豆を炊くことにした。
前夜から鍋で直接乾燥豆を水に浸し、翌朝そのまま火にかける。
1時間ほど経ってから砂糖を加え、塩で甘みを引き出し火を止める。

美味しい甘煮に仕上がった。
黒豆よりも淡色のうずら豆が今の私の心に合っている。
丁寧に豆を炊く行為は、時薬(ときぐすり)と似ているかもしれない。



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