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Monthly MAL vol.5

こんにちは。今回はMALのウェビナー開催のお知らせ、2022年4月クールアニメの速報数字、日本のWebサービスではなかなか見かけないモデレーターという存在がMALの中でどういう役割を担っているのかをご紹介します。最後までお付き合いのほどよろしくお願いします!

1.ウェビナー『MyAnimeList〜Web3時代へのコミュニティ作りのヒント〜』開催のお知らせ

MALは6月2日(木)19:00よりウェビナー『MyAnimeList〜Web3時代へのコミュニティ作りのヒント〜』を行います。Web3、DAO、NFT、メタバースといった言葉を目にしない日がない昨今、15年の年月による検証を経たMALのユーザー自治の事例や、現在MALがWeb3時代へのコミュニティ作りについて考えていることをみなさんに共有して、今後のビジネスへのヒントをお持ち帰りいただこうと思っています。今回はモデレーターサイドの責任者も登壇しますので、お時間が許せば、是非下記のリンクからお申し込みください。

『MyAnimeList〜Web3時代へのコミュニティ作りのヒント〜』申込フォーム

ウェビナー詳細
・日程:6月2日(木) 19:00~20:30(19:00~20:00 セミナー、20:00~20:30 QA)
・登壇者:
赤星良介(株式会社MyAnimeList 取締役)
Allison Bidulock(株式会社MyAnimeList Lead Admin.)
・対象者:
Web3サービスに関わる、または今後始めようとする方々、コミュニティ運営やその方法に興味がある方々。さらに既存コミュニティにどうWeb3の考え方を導入していくかの事例に興味がある方々
※ 本ウェビナーは、日本語と英語の両方を使用。英語部分は日本語訳が入ります。
・定員:100名(申込先着順で定員になり次第締め切らせていただきます。)

2.2022年4月クールアニメ作品の速報数字

データ活用チームとしてMALにジョインしている電通の清水です。今月は4月クールアニメの速報数字をお届けします。4月クールが始まって約1か月。国内でも作品の評判が聞かれるようになってきましたが、海外ではどのような人気になっているのでしょうか?

下記は、4月クール作品の5月10日時点におけるメンバー数・スコアをまとめたものです。
放送の始まる直前である、3月31日時点のメンバー数と増加数も併記しています。前評判によって放送前からメンバー数が多かった作品、放送が始まってからメンバー数を伸ばした作品を確認していきます。

※ランキングは2022/5/10時点のものです
※2021年月クール作品および2020年10月クールからの継続作品を対象としています
※メンバー数は「作品をマイリストに追加」した人の数です
※評価は「作品をリストに追加し、かつ評価した人」の評価数平均です
※各項目上位10作品を赤くマーキングしています

■メンバー数TOP作品「SPY×FAMILY」

最も多くのメンバー数を獲得したのは「SPY×FAMILY」となりました。
国内でも放送前から大規模な広告が展開され、満を持してスタートした「SPY×FAMILY」。MAL上のメンバー増加数でも圧倒的な数字となっており、放送開始以降の評判の大きさを感じさせます。評価でも9.1と最も高いスコアを記録しており、今クールを代表する作品になることは間違いがなさそうです。

ある番組が素晴らしいと思われるのは、1つのエピソードが終わるたびに、もっと観たいと思うようなときです。「スパイ×ファミリー」は、まさにそのケースです。それは主に、この番組が持つユニークで興味深いコンセプトによるものです。全体的なコンセプトに関して、他に類を見ない作品です。

参照レビュー(ddmareoさん:評価9)

■事前期待NO.1「盾の勇者の成り上がり Season2」

放送開始前の時点で最も多くのメンバー数を集めたのは「盾の勇者の成り上がり Season2」で、5/11時点のメンバー数でも2位に位置しています。続編は放送前からの期待値が高くなりますが、人気シリーズである「かぐや様は告らせたい」「古見さんは、コミュ症です。」を抑えて異世界系ジャンルの作品がランクインしていることにも注目です。

第1シーズンは、直史が復讐を果たすか、生き残るために頑張るか、どちらかを応援したくなるような内容でした。そしてその後は、彼がやっとリラックスできるようになったことを喜んだものです。今は? 今は、次の大きな出来事が起こるまで、その流れに身を任せているような感じです。それは悪いことではないのですが、やはり1作目と比べると、ちょっとした緊張感がなくなってしまっているのです。

参照レビュー(Ellenwitchさん:評価6)

■好調な新作「可愛いだけじゃない式守さん」「阿波連さんははかれない」

今クールが初のアニメ化となる2作品が、それぞれ4位と6位にランクインしました。5位にランクインした「古見さんは、コミュ症です。」も含めたこの3作品は、独特な特徴を持ったヒロインを中心に物語が展開される共通項を持っています。同クールにこの3作品が上位にランクインしていることは、昨今のアニメトレンドをうかがいい知れる現象かもしれません。

アニメーターは、この番組のアートスタイルで本当に良い仕事をしました。鮮やかな色彩は実に爽快です。オープニングは今シーズンのベストオープニングの一つです。曲はかなりキャッチーですし、そのオープニングをアニメーション化するために、それ以上のことをやってのけたんです。

参照レビュー(式守さん)(Nifty2さん:評価8)

「阿波連さん」が市場で最高の、あるいは最も独創的なラブコメではないとしても、この作品は甘美で、存在を正当化できるほど面白いのです。このゆったりとした雰囲気は、私を即座に夢中にさせました。もしかしたら、あなたにも必要なものなのかもしれません。

参照レビュー(阿波連さん)(YamI_SukeHir0さん:評価8)

■ダークホースとなるか「パリピ孔明」

メンバー数こそ14位ですが、増加数では6位に位置する「パリピ孔明」。痛快なストーリーと癖になる楽曲が話題となり国内でも大きな話題を呼んでいます。スコアも8.4と、ランキング前後の作品と比べても高い値になっています。今後の伸びに注目したい作品です。

今シーズンはたくさんの良いアニメが放送され、私のウォッチリストにもたくさんの番組がありますが、この隠れた名作はそれらの中で今なお明るく輝いています。たった3話でこれほどまでに私に良い印象を残した音楽アニメは何年ぶりでしょうか......。この番組のオリジナリティは、スポットライトを浴びるに値するものです。私はアニメをたくさん見てきたわけではありませんが、三国志の軍師が今の渋谷に転生して、ほとんど知られていない歌手のマネージャーになるなんて、夢のような話だと思います。このアニメを見ることを勧めてくれたアニメコミュニティの皆さんに感謝したいです。

参照レビュー(Neo_Randomzさん:評価10)

いかがでしたでしょうか?肌感との違いがあった方も、予想通りと思われた方もいらっしゃるかと思います。4月クールも折り返し、各作品とも物語はより盛り上がりを増してくると思います。ここから各作品がどのように数字を伸ばしてくるのか、引き続きウォッチしていきたいと思います。

来月は過去にさかのぼり、人気アニメ作品のランキングの推移を時系列でまとめていきたいと思いますので、お楽しみに!

3.Modsの秘密1(ModsはMALでどんな役割をしているのか)

こんにちは、MyAnimeList(MAL)の樋口です。

よくいろんな方に、「Modsって誰?何やってる人たち?」と聞かれます。日本ではあまり馴染みがないですが、似たもので言うと、昔のNiftyフォーラムのシスオペみたいな役割(古っ!)の人たちです。彼らはMALというオタクたち(ユーザー)が集まった中学校みたいなコミュニティの中で、校長先生とか、国語の先生とか、保健の先生とか、用務員さんみたいな役割を担っていて、やんちゃな生徒たち(ユーザー)が中学校生活を安全に楽しく過ごせるよう日夜奮闘しています。

現在MALに60名以上いるModsは世界の各地に住んでいます。そしていろんな国からリモートでMALに関わっています。MALは主には英語話者向けのアニメ・マンガのコミュニティなので、Modsも英語が第一言語の人が多く、US、カナダ、東西ヨーロッパ、アフリカ、日本以外のアジアなどから集まっています。基本的にはボランティアで構成されていますが、数名のAdmin.の役割をしているメンバーは私たちと直接契約をして、普段から日本チームの相談にのったり、こっちで計画をしているいろんな企画や新しいサービス作りに協力しています。

ここまで話すと、じゃあMALの日本チームとの役割分担は?という話になりますよね。私たちの役割分担はだいたい下記の感じです。

現在はModsチームの代表(Lead admin.)は、日本チームにも所属していて、フルタイムで私たちと一緒に働いています。

またModsチーム内は下記のような組織で運営をしています。

大きく分けると3チームあり、それぞれのチームにAdmin.がいて、チームのみんなの進捗管理や、そのチーム特有のタスクをこなし、日々の運用をしています。

DBチームはユーザーたちがMALに対してアップロードしてきたアニメやマンガの情報をチェックしてサービス上で見えるようにする仕事、コンテンツチームはMALに配信するためのニュース作りや原稿書き、取材、MALのSNSへ情報をポスト、ユーザーが書いたレビューをチェックしてMALにアップする仕事、コミュニティチームはMALの中でユーザーが書いたものに規約違反がないかなどのチェック、フォーラムのスムーズな運営(ユーザー間の仲裁したり、スレッドをロックしたりすることもあります)、MALのDisocordの管理などをしています。

ボランティアでこのような活動をするのは日本ではちょっと考えづらいことですが、海外だと大体みんな自分が食べていくためのDay jobの他に何らかのボランティア団体に属して活動をしているので、そんなに珍しいことではなく、教会で毎週ボランティアするのと同じ感覚です。

また彼らは全然本人たちに個人としての売名行為的なところがなく(ホント驚くくらい)、あくまでMALや、そこに集う人たちを思いやっており、アニメやマンガというカルチャーにもっと陽が当たること、もっと色んな人がMALを好きになることを目的として活動をしていて、この感じが常に私の心をキュンとさせるポイントです❤️(彼らがあまりにストレートで、いじらしすぎて、こいつらの為なら頑張れる!!と思う瞬間がよくあります!私の仕事のモチベーションの大切な一つ)

こういうMALというサービスを好きで好きでたまらない人たちが身内にいて、時折私たちが目指すべきところをキラッと照らしてくれることがあり、私たちの背筋をピンと伸びさせてくれる、というのはなかなか良いものです。

日本みたいに『石を投げればみんな進撃や鬼滅を知ってる、コンビニにアニメキャンペーングッズがあふれてる』みたいなことがない世界では、自分が好きなアニメやマンガについての話題を同じものが好きな人たちと分かち合える場の存在は貴重なもので、その素敵な場所を自分たちが作っているということにModsたちは誇りを持っています。また自分と同じようにアニメやマンガが好きな他のModsたちとコミュニケーションして、同士でいられるということも彼らがMALで活動するための重要なモチベーションになっています。

そして日本のチームにとっては、私たちがMALというサービスを運用していく上で、Modsの意見がとても役に立ちます。なぜなら彼らは、下記の条件を満たしているからです。

1.日本人のアニオタと同じ位よくアニメのことを知っている
2.彼らのアニメの観かた、好みが日本人の好みと違う

そのため私たちは常に新しい企画のことで彼らとディスカッションを行い、彼らの意見を取り入れて、企画の調整をかけることも多いです。

MALにはFantasy Anime League(通称FAL)というUSのFantasy Sportsをベースにしたシーズン毎のアニメタイトルで自分のチームを作って、人気のものを当てにいくイベントがあるんですが、やはりModsたちの方が日本のチームメンバーよりいつも順位が上なんですよね。。彼らが海外でニーズのあるアニメをよく理解している証拠です。

Modsたちはよくアニメの新シーズンが始まるタイミングでWatch Partyをやっていて、新しく始まるアニメのEpisode1を一緒に観て感想を言い合っているんですが、これに参加すると、Modsみんなのコメントで、大体どのアニメがそのシーズンでヒットするのかがわかります(大変便利w)。

今回はModsの秘密1と題して、彼らがMALの中でどんな役割を担っているのかをご紹介しました。少しModsの秘密に近づけたでしょうか?また機会があれば、Modsの秘密をご紹介したいと思います。

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