「地球に優しい循環型社会を目指すために、プロスポーツチームが貢献できること」|モンテディオ山形SDGsコーナー体験記
7月9日(日)、ジュビロ磐田戦。SDGsコーナーでは新たにリサイクルのプロジェクトがスタートしていました。
未来のためにできること。レアメタル回収をスタート
SDGsパートナーの新井紙材株式会社様が運営する「循環思考メディア 環境と人」の協力の下、「レアメタル循環プロジェクト」を始めました。東京都港区に本社を構える同社では、約70年に渡り古紙などの回収やリサイクルに携わってきましたが、その過程で、多くのごみが焼却・埋め立てされているという事実を社会に広く認知してもらう必要性を感じ、「循環思考メディア 環境と人」を立ち上げたそうです。
小型家電には、鉄やアルミ、銅、希少金属(金、銀、パラジウム、リチウム など)といった有用な金属が多く含まれています。日本で使用済みとなる小型家電は年間65万トンで、そのうち有用な金属は28万トンにものぼり、お金に換算すると844億円。使用済み小型家電は「都市鉱山」とも言われ、貴重なリサイクル資源となっています。しかし、1つの電子機器から収集できる量がわずかであることから回収する効率が悪く、結果的に焼却・埋め立てに回ってしまったり、ジャンク品として海外に流出したりしてしまい、回収が進んでいないのが現状だそう。
今回のプロジェクトでは、スタジアムに来場いただくみなさんに、パソコンや携帯電話、ゲーム機、音楽プレーヤーなどを持ち寄っていただき会場で回収し、「環境と人」を通して適切なリサイクルフローにのせ社会に還元します。非効率ということで、回収量が少ないという課題を、モンテディオ山形の集客力でカバーします。11月12日(日)のホーム最終戦まで実施しますので、ぜひ持ち寄っていただければと思います。
世代間交流にもつながるユニバーサルスポーツ体験コーナー
ユニバーサルスポーツ体験コーナーでは、キックターゲットとグランドゴルフを行いました。キックターゲットは、今シーズンの全ホームゲームで実施していますが、参加者は小中高生やサッカー経験者の大人に限らず、3歳くらいの幼児や高齢の方の挑戦も多いです。参加者にあわせて蹴る位置を近づけたりするなど、楽しめるようにスタッフが工夫しながら運営していますが、ゴールに入らなくても、ボールを転がすことで身体を動かす楽しさや達成感を味わってもらえています。
この日、ボランティアスタッフを担当した大原学園の学生は、「去年もスタッフを担当しました。今日のグランドゴルフでは1歳のコが遊んでいってくれました。いろんな人に体験していただけるのはうれしいです」と笑顔で話してくれました。
スタートしたばかりの「レアメタル循環プロジェクト」ですが、新たに設置されたプロジェクトの紹介ボードを熱心に見ていた家族がいました。話を聞いてみると、「家に処分していない小型家電があるから、次回のホームゲームで持ってきます」と前向きな反応。
これが、もし単発で行われているイベントであれば「今度」という選択はありません。サッカーの試合が単発のイベントではなく、継続的に行われているからこそ、今回情報を得た後も、「次回持ってくる」という選択ができます。それは、非常に強みだと改めて感じました。プロサッカーチームが持つ集客力が、さまざまな波及効果を生み出しています。
2023モンテディオ山形SDGsコーナー体験記 vol.12
2023/7/9(Sun)
第25節
vs ジュビロ磐田
ライター
松田 陽
●SDGsパートナー