あなたはなぜ嫌われるのか?
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自分はどうして嫌われるのか考えてみた
いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。
以前、ある方が、「どうして自分は嫌われるのか」という文章を書いていたのを見たことがあって、これはすごく良い試みだなと感じました。
ある説によると、僕たちの脳って、「生きたい」、「知りたい」、そして「仲間になりたい」の三つしか考えてないらしいんですね。僕たちは、誰かと仲良くなれると、「気持ちいいなあ」って感じるようになっているんです。だからこそ「誰かに嫌われたくない」というわけです。
でも、これだけがんばっていろいろと仲良くなろうと努力しているのに、なぜか嫌われるときってあるじゃないですか。それってどうしてなんだろう、どういうときに自分は嫌われるんだろう、自分が何をしたときなのか、何を言ったときなのか。そうやって時々自分の行動を見つめ直せば、嫌われる可能性を減らせそうですよね。
人が嫌われるのはどういう時なのか、僕をサンプルにして考えてみます。
まず、「人が良さそうに見せておいて、結構冷たい」っていうのがあるなあと思います。僕、穏やかで優しそうに見えるんですね。でも、「ここまでは入ってこないで」っていうのを結構持っていまして、それをたまに見せてしまって、嫌われていると思います。
でもこれは、お酒を出す仕事をしているから仕方ないなあとも思います。お酒を飲んでいると、人によってはどんどん相手に入ってくるから、どこかで止めなきゃいけなくて、ちょっと距離をとるというわけです。
逆に、僕もお酒が入ってしまうと、どんどん人に入っていってしまうことがあるんです。僕の場合、「ここまで言ってしまっても大丈夫かな。こんなこと言うと、相手も驚いてしまうかな」なんて感じのことを、あえて言ってしまうことがあって、それがちょっと行き過ぎて嫌われることがある気がします。
僕は「誰かを喜ばせるのが好きな人間」なんですね。例えば、「僕の本が売れたらいいなあ」と思うのって、担当してくれた編集者さんが喜んでくれたり、印税が入ってきて妻が喜んでくれたりするからなんです。もちろん僕も売れたら嬉しいけど、自分の心の中を眺めてみると、どうやら僕は「みんなが喜ぶ」のが一番嬉しいようなんです。
その場が盛り上がればよいと思って話を持ってしまう問題
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