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【小説を書く流れ・初級編】モノを紡ぐ人のための小説の書き方 2


小説を書く流れ

・書く内容を考える(ストーリー/アイディア)
・書く技術を磨く(文体/分取)
→ それらをもとに カタチ にしていく。
→ 完結させる。

 これが、小説を書く大まかな流れです。今回は、この『カタチにしていく』部分の、大まかな流れを記します。

①小説の内容を考える。


 詳細は別の記事に書きますが、大まかに上げるならば、「アイディア」や「ストーリー」、「登場人物」や「世界観」、資料を用意し知識を蓄える部分が最初にあります。書きながら考える場合でも、最初の一文目は少なくとも事前に用意してあると言ってよいと筆者は考えています。

②そのお話に適した長さを考える。

 書いてみないと分からないと言うこともあるかと思いますし、完結させず長くずっと続けていくという場合もあるとは思います。ただ、その二つの場合であれば、そう「決定」しておく事となります。

 とはいえ、可能であれば「完結する長さ」をなるべく最初は決めるのがよいと筆者は思います。これは、
・短編
・長編

 が、大きなくくりとしてあげられます。それぞれ個人的な目安としては、短編は3万字以内、長編は10万字程度(8~12万字)と、筆者は定めています。それぞれ、まとめる方法(書き方)が異なる長さで、どちらもそれぞれ書くのが難しい長さです。

 そのため、本当に最初に書く場合は「中編」を、個人的には推します。短編でも長編でもない、短くも長くもなく、まとめる技術を必ずしも必要とせず、気ままに書ける(と、筆者が思っている)長さです。

 何故長さから先に考えるかといえば、考えた設定を全て書くわけではないと思うのですが、お話の長さにより、盛り込むエピソード数などが変化するためです。なので、エピソード数から長さを考えることも出来ますし、たとえば公募(新人賞)に応募する際は、規定枚数にあった内容に必要なエピソード数を考えるなど、書く上での一つの目安になると筆者は思っています。

③人称の決定(一人称/三人称)

 次にこれを決定しないと、文章作法の基礎を押さえていても、書き始めることが出来ません。初心者は、三人称一元視点(主人公の背後霊のように書き進める)か、一人称(特にWeb小説で多い)で書くのがよいと勧められることが多いように見ていて思いますが、筆者もそう思います。

 たとえば大部分は主人公の一人称で、時々別のキャラクターの三人称を入れたり、群像劇のように三人称で様々な登場人物の視点を用いたり、三人称にて神視点を用いるのが悪いわけではありません。小説は自由です。

 ただ、「読みやすい」「分かりやすい」という点と、「技術力をつける」という趣旨では、特に最初は、「1人のキャラクターを追いかける」という書き方が、作品を構築しやすいように思います。

 三人称と一人称のどちらがいいかに関しては、それぞれに利点があります。それは別の記事で掘り下げたいと思います。

④プロットの作成(有無を含む)

 次に、プロットを作成するかどうかを考えます。筆者は、必ずしもプロットは必要だとは思いません。なので、プロット不要派の方は、この過程は不要だと考えられます。今回は、プロットを作成する場合を念頭に書きます。

 ここまでの①~③で、内容と長さ、人称(文章による小説のなぞり方)が決定したと思いますので、プロットを作成するための要素は揃いました。要するに、①~③で決めた事柄を、まとめる=プロットの作成となります。

 小説の書き方と同じように、プロットの書き方も人の数ほど存在するのですが、筆者は、上述の①~③の事柄をまとめることをもってして、プロットの作成だと考えております。勿論、①の部分の詳細版をプロットという人もいれば、①と②をあわせての、エピソード数を調整した部分までをプロットという人もいると思います。個人の自由です。プロットに決まりはありません。

 ただ、出版社の企画会議にかける場合や、編集者からの依頼で、一定のフォーマットで、定められた内容を書く場合はあります。そういった場合は、大体は、A4~5で、2~3枚程度、タイトル・世界観・登場人物・ストーリープロットなどを提出することが多い印象です。

 今回ここに記したのは、あくまでも、自分自身が小説を設計する上で必要なプロットのお話です。

⑤書く場所の決定

 筆者は、冒頭(頭)から書きますが、小説は必ずしも最初から最後に向かって書かなくても問題ありません。
・冒頭から書く。
・書きたい場面から書く。
・オチ(ラストあるいは転結)から書く。

 このいずれでも問題はありませんし、他の部分からでもOKです。

⑥執筆する


 ここまでの材料が揃ったら、あとは書くのみです。途中考えながら書いたり、プロットがある場合は修正することもあるかもしれませんし、途中から書いている場合は繋ぎを考えたり、ラストまで書いた後冒頭を修正することもあるかもしれませんが、あとは書くのみです。そして、完結させます。完結しない物語であれば、一区切りつくところまで書きます。自分の書きたい物語を、「完成」させます。

おわりに

 以上が、小説を書く流れとなります。
 これは例えば、

①勇者が魔王を倒すストーリー
②短編(2000字くらい)
③一人称
④プロット無し
⑤頭から書く
⑥書き上げる(完結させる)

 という、要素を抜き出したものです。難しく考える事はなく、既に小説を書いた経験がある方は、言語化せずとも行った事がある作業かもしれません。ただ、意識してこの流れを把握しておくと、自分がどの行程で行き詰まったかなどを理解しやすいので、オススメです。


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