倉橋ヨエコ

高校のとき、ハマった。

たしか、歌手の卵を探そうみたいな番組を深夜にやっていて、その時に出てきた出場者が倉橋ヨエコさんの歌を歌っていて、それをたまたま見たのが出会い。

その出場者は、「雨宿り」を歌ってて、その歌詞のネガティブさと、言葉選びの面白さと、メロディの迫力に衝撃を受けた。「♪漂白剤を眺めてた〜」めっちゃ面白いやん…と思った。激しく印象に残った。

自己嫌悪と恨みつらみと報われなさと惨めさを地獄の釜で煮詰めたような歌詞なんだけど、それでもどこかポップというか、遊び心のある歌詞で、メロディや歌声も、そんな辛さを蹴り飛ばしてくれるような力強さと明るさがあった。

本当に救いのない歌詞なんだけど、こんな風に歌いとばしてくれたら、不思議とすごく救われるという奇妙な現象が起こる。ヨエコのファンの間では、「ポガティブ」と称されていた。

本当に歌詞はめちゃ暗いんだけど、苦しみにとことん寄り添ってくれる。頑張ろうぜ、とか良いことが待ってる、なんてことはヨエコは言わないんだ。ただ、苦しみややるせなさを共有してくれるんだ。これを聴いてとことん落ち込んで、でもメロディは明るくて、聴いた後には救われてる。そんなもんだろって、最悪な現実を蹴り飛ばしてくれるんだ。

この人の歌に、救われました。今までも、これからも。

音楽活動を休止してしまって、とても残念だけれど(ヨエコさんを知った高校の時にはすでに休止していた)あなたが作ってくれた歌があるから、私はこれからも絶望のどん底でも耐えられる気がする。出会えてよかった。

突然ですが、ヨエコさんの曲の中でも、特に好きな曲を紹介します。

「今日も雨」元気をもらえます。希望なんかなくたって生きていこうって思える。

「卵とじ」かわいい。ポップ。ドロドロした気持ちを隠して可愛くふるまおうとする感じがすごく的確に表現されてる。最高。

「ラジオ」温かいです。辛いけど。切られるくらい切ないけど、美しいです。

「依存症 ～レッツゴー! ハイヒール」中毒性があってオシャレです。この曲聴くと盛り上がります。一人で。ジャズ調のピアノとテンポが天才。

「赤い靴」歌い出し最高。クセになる。名フレーズ多いです。

「損と嘘」オシャレな曲です。自己犠牲と陶酔。

「東京」帰りたい、が切実。PVかわいいので見てほしい。1人暮らしの人にオススメ。

「友達のうた」片想いの人、絶対聴いて。

「流星」メロディとテンポが大好き。愛することにただ疲れたの、なんて歌詞をこんなポップに歌う人います？？？！これも名フレーズ多いです。脈無さすぎの片想いをしているときによく聴きました。

「楯」身近な人が亡くなったとき、よく聴いてた。泣けない時期があったけど、この曲を聴くと泣くことができた。

「ジュエリー」優しいです。許される。最高。

「輪舞曲」曲調めっちゃ優しいのに、出だしからパンチが強い。でも優しいよね。すごく。

「夜な夜な夜な」とか「薬箱」とか「過保護」とか「ラブレター」もいい。暗いけど。

厳選しきれていない。