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データサイエンティストに聞いた「データドリブン企業モノタロウとは?」

※本記事の内容は取材時のものであり、組織名や役職等は取材時点のものを掲載しております。

青井さん
データマーケティング部門データ分析グループ
京都大学で物理学を専攻し、高エネルギー天体現象の理論研究を行う。ガンマ線バーストにおける粒子加速のモデルを構築し、博士号を取得。2011年に広告プラットフォームを運営するマイクロアドへ入社。データサイエンティストとして広告配信の最適化やターゲティング機能の開発に従事する。
2018年7月にMonotaROへ入社。データマーケティング部門データ分析グループのチームリーダーとして商品推薦システムの開発やプロモーションの最適化を担当している。

データサイエンスが大きなインパクトを出せる

 ーモノタロウ入社の決め手は何でしたか?
データサイエンスが大きなインパクトを出せると感じたことが決め手になりました。データを活用することで事業を成長させてきた会社ですし、経営の意思決定においてデータ活用を重視しています。そのため人材採用やデータ基盤などのシステムの構築に投資をしているところに魅力を感じました。

また、データサイエンスの研究開発を担うデータ分析グループを設けており、そこに優秀なメンバーがいることも決め手になりました。情報検索や推薦の専門家が揃っており、データサイエンティストとして成長できる環境だと思いました。その他にも、WSDMやSIGIRなどの海外カンファレンスへの参加や論文の勉強会など、新しい技術をサービスに導入するための取り組みも興味深いと思いましたね。

「オンラインからオフラインまで」データサイエンティストとしてチャレンジングな環境

 ー入社してからこれまでの取り組みを教えてください。
モノタロウでは全社でデータ活用していますが、その中でも特にデータサイエンティストはデータ活用の高度化をミッションとしています。

モノタロウでは1,800万点以上(2020年4月時点)の商品を取り扱っていますが、Webサイトではこれらの商品を探しやすくするための検索や推薦機能を提供しています。サービスの利便性にとってこれらの機能の性能をあげることが重要であり、私達はそのための研究開発に取り組んでいます。また、広告やメールなどを用いたマーケティング活動や物流の需要予測においてもデータを活用しています。物流からプロモーションまでを全て自社で行なっているモノタロウならではの研究開発のテーマだと思います。オンラインからオフラインまでを事業として扱っているためデータの幅は広く、データサイエンティストとしてはチャレンジングな環境です。

私個人としては入社以降、「商品推薦」や「広告による新規ユーザーの獲得」というテーマに取り組んできました。

商品推薦システムの開発では、サイトの各種ページで商品を推薦する際の性能向上に取り組んできました。モノタロウは430万以上(2020年4月時点)のユーザーに登録、利用いただいており、それらのユーザーそれぞれにとって興味をもっていただける推薦を目指して開発をしています。推薦をする際の目的に応じて、シンプルな推薦手法から機械学習を用いてパーソナライズ化した推薦まで様々な推薦手法を提供しています。

モノタロウでは分析に必要なデータがいつでも手に入る環境を目指してGoogleCloudPlatform(GCP)を用いたデータ基盤の構築を進めています。そのため、データ蓄積の一元化やログ計測をリアルタイム化しています。商品推薦システムではこのデータ基盤上で自社で保有するデータを活用したアプリケーションの開発を行なっています。

広告の取り組みでは新規ユーザーの獲得が主要な目的としてあり、データを活用することで広告配信の最適化を目指しています。そのため、広告で獲得したユーザーのプロファイル分析や広告予算配分の最適化などに取り組んできました。

 ー仕事をしていて大変だと感じるのはどんな時ですか?
課題設定が非常に大変です。漠然とした課題をデータサイエンスの課題に落とし込むため、事業における課題を理解し、データ分析やモデリングを繰り返すことでインパクトが出せそうなテーマを探っていきます。

また、課題に取り組んでいる際に性能が出ない時も大変だと感じます。モデリングをしている際に性能が出ずに苦労することはありますし、サービスでの機能開発では関わるシステムも増えるためどこに問題があるのかを特定するのが難しくなります。

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※注

ーどのようなところにやりがいを感じていますか?
データを活用したサービスリリースの成果が直接ユーザーの行動として目に見えることにやりがいを感じます。例えば、ECサイト内の検索で、いままで見つからなかったものを見つけることができた、ユーザーの興味を持つものが表示されるようになったなどの性能の向上ですね。サービスのリリース後の利用状況から意図通りにユーザーに利用いただいている時と感じた時は嬉しいです。

データサイエンティストから見たモノタロウとは

 ーモノタロウの良いなと思う部分はどこでしょう?
モノタロウの行動規範に「他者への敬意」が挙げられていますが、この規範通り、他者への敬意を持って働く良い人が多いと感じています。これは、長期的に良いものを作っていく、成長していく事業を作っていく際に必須な条件だと思っています。

目先の成果にとらわれると、うまくいかないことや他者との違いにストレスを感じることもあると思いますが、それぞれの専門性に敬意を持ったうえで、チームで仕事をしていくことができているのはモノタロウの非常に良いところです。

データサイエンティスト目線だと、先ほども述べましたが、データドリブンなカルチャー、データ活用の意識が高いところですね。分析担当者はもとよりエンジニアからマーケターまで各職種でデータををもとに意思決定をしており、スピード感を持って動ける組織であることはモノタロウの強みだと思っています。

 ー最後に未来の仲間に向けてアドバイスをお願いします。
自身の専門性や興味がある領域を明確にすることが大事だと思います。データサイエンティストという職種は専門化が進んできているため、会社によってやっていることが全く異なっています。その中で自分に合っている会社を見つけることが必要です。

モノタロウの話をすると、ECやWebマーケティングにおいて大学で研究をして身につけてきた専門性が活かせる環境です。また、ユーザーの行動やマーケティングに興味がある学生には面白いテーマを提供できます。アイデア次第でインパクトを出せる領域も多く、自らの力で世にないサービスを作っていける環境だと思います。

※注)本稿で使用している写真は、インタビューを実施した2020年2月以前に撮影を行ったもので、現在はリモートワークを実施しております。

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