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FM大阪「ゴールデン・ライヴ・ステージ」山下洋輔リサイタル 寿限無ライヴ (2) (1982年1月3日放送)

FM大阪「ゴールデン・ライヴ・ステージ」山下洋輔リサイタル 寿限無ライヴ (2)(1981年11月16日、東京・新宿コマ劇場にて収録)

放送曲目:
1. あしたこそ、あなた
2. サッちゃん
演奏者:
矢野顕子 Piano, Vocal

3. I Surrender Dear
4. ジャズ大名
演奏者:
筒井康隆: Clarinet
山下洋輔: Piano
杉本喜代志: Guitar
川端民生: Bass
小山彰太: Drums
武田和命: Saxophone
中村誠一: Saxophone
林栄一: Saxophone

5. (題不詳)
演奏者:
山下洋輔: Piano
佐山雅弘: Keyboards
向井滋春: Trombone
林栄一: Saxophone alto soprano
武田和命: Saxophone tenor
中村誠一: Saxophone tenor
清水靖晃: Saxophone tenor
渡辺香津美: Guitar
杉本喜代志: Guitar
川端民生: Bass
ペッカー: Percussions
トニー木庭: Drums
小山彰太: Drums
村上秀一: Drums

 FM大阪(番組制作はFM東京)「ゴールデン・ライヴ・ステージ」(日曜日、21時00分~21時55分)で、1981年~1982年の年末年始、二週にわたり、1981年11月16日に「新宿コマ劇場」で行われた「山下洋輔リサイタル」の模様が放送されました。前半の放送が1981年12月27日、後半の放送が1982年1月3日でしたが、後半しか聞いていません。ゲストの矢野顕子さんの演奏を聞くことが目的だったからです。

 わたしはジャズには疎く、山下洋輔さんについても、フリージャズのひと、ギャグ好きのひと、面白エッセイのひとという、ざっくりした印象しか持っていませんでした(のちに "『ドバラダ門』のひと" が加わります)。この録音についても、聞き直すまで、てっきり「全冷中」(全日本冷し中華愛好会、1975年~1979年)イベントの録音だと思い込んでいました(調べてみましたら、1977年4月1日開催の「第一回冷し中華祭り」にも、矢野さんは出演されていました。その記憶とごっちゃになっていたようです)。

 矢野顕子さんの「あしたこそ、あなた」は、角川書店「カドカワノベルズ」のCMソングで、1981年11月1日にシングル発売されたばかりでした。ひと前で演奏するのは、このときが初めてと話されています。レコードでの、アメリカのフォークロックバンド、アソシエイションを思わせるコーラスは山下達郎編曲・多重録音によるもの。当時、ラジオで「オフコースにやってもらいたがったが、かなわなかったので、代りにやってもらった」と冗談めかして語られていたことを覚えています。矢野さんがアソシエイションのファンであることを知ったのもそのときでした。わたしも、アソシエイションが大好きなので、うれしく思いました。
 「サッちゃん」は、ライヴアルバム『東京は夜の7時』(1979年4月25日発売)でも演奏している阪田寛夫作詞、大中恩作曲による童謡です。

 この日の放送で、後悔しているのは、矢野顕子さんの演奏部分しかエアチェック(録音)していないこと。二人目のゲスト、作家の筒井康隆さんのコーナーは残していません。前述のように、ジャズには疎いですが、「全冷中」などギャグ方面の活動は知っており、山下洋輔さんと筒井康隆さんの交流も知っていました(「全冷中」の初代会長が山下さん、二代目会長が筒井さん)。筒井康隆さんがクラリネットを演奏することも、当時読んでいた雑誌「奇想天外」に掲載された「クラリネット言語」で知っていました。ステージでは、ジャズスタンダードを演奏されるくらいだろうと思っていたのですが、まさか、筒井さん自ら作曲した曲が演奏されるとは。その曲の楽譜を掲載した小説「ジャズ大名」は、「小説新潮」1981年1月号に掲載され、同年10月刊の単行本『エロチック街道』に収録された、とのことですが、放送を聞いた時点では読んでいませんでした。山下洋輔さんらが当初はウチワで演奏し始め、その年の8月には日比谷野音で「ジャズ大名」を中心としたコンサートまで開かれていたことも知りませんでした。驚いたのは、6日後に、NHK-FMで「ジャズ大名」がラジオドラマ化されたこと。それを聞いて、しばらくしてから、やっと読みました。

 2024年1月20日(土)、KAAT神奈川芸術劇場プロデュース 『ジャズ大名』(福原充則演出、関島岳郎音楽)の「高槻城公園芸術文化劇場南館・トリシマホール」での公演を見ました。関島岳郎さん (Tuba, Recorder)、桜井芳樹さん (Guitar, Banjo)、関根真理さん (Drums, Percussions)、川口義之さん (Saxophone, Percussions, Recorder)、大熊ワタルさん (Clarinet, Xylophone, 篳篥)、和田充弘さん (Trombone)、辰巳光英さん (Trumpet, Theremin)、こぐれみわぞうさん (Percussions, チンドン太鼓、箏) の演奏はもちろん、主役の「殿」大久保教義に扮する千葉雄大さんを始めとする俳優陣が入り乱れての時代の切り替わりの一夜を徹して行われたセッションは圧巻でした。

 この日の放送で流れたもう1曲。これを機会に山下洋輔作品をあれこれ聞いてみましたが、わかりませんでした。疎くて、すみません。美空ひばり公演の休演日を利用して行われたという記念碑的なコンサートだったと思うのですが、しっかりした記録があれば読みたいと思います。

 


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