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NHK-FM「FMクラシックアワー」〈スティーヴ・ライヒ特集〉(1981年6月20日、ニュルンベルク 聖ゼーバルト教会、1981年10月4日 ミュンヘン アラバマ・ホールにて収録)

NHK-FM「FMクラシックアワー」〈スティーヴ・ライヒ特集〉(放送日不明)
(1) 1981年6月20日、「ニュルンベルク国際オルガン週間」、ニュルンベルク 聖ゼーバルト教会にて収録(南ドイツ放送協会提供のテープによる)
Nuremberg's International Organ Week
Recorded live at the St. Sebald (St. Sebaldus) Church, Nuremberg, June 20th, 1981 (Süddeutscher Rundfunk Tape)
(2)(3) 1981年10月4日 、「バイエルン放送 ムジカ・ヴィーヴァ」、ミュンヘン アラバマ・ホールにて収録(バイエルン放送協会提供のテープによる)
Bavarian Radio’s Musica Viva
Recorded live at the Alabama Hall, Munich, October 4th, 1981 (Bayerischer Rundfunk Tape)

放送曲目:
1. 管楽器、弦楽器と鍵盤楽器のための変奏曲
   Variations for Winds, Strings, and Keyboard (1979)
2. 18人の音楽家のための音楽
   Music for 18 Musicians (1974-76)
3. テヒリーム(詩篇 19, 34, 18, 157 より)
   Tehillim (Psalms 19:2–5, 34:13–15, 18:26–27, 150:4–6) (1981)

演奏:
(1) ペーテル・エトヴェシュ指揮 シュツットガルト放送交響楽団
Peter Eötvös (conductor), Stuttgart Radio Symphony Orchestra
(2)(3) スティーヴ・ライヒ楽団
Steve Reich and Musicians


 初めて聞いたスティーヴ・ライヒ作品が、1979年6月6日(水)のNHK-FM「クロスオーバーイレブン」でかかった "Music For 18 Musicians" であり、元は60分近い曲でありながら、当時のLPではA面に半分、B面に半分が収録されていたことは、別稿で書きました。その "Music For 18 Musicians" が途中で区切られずに、通しで聞けたのが、この日の放送です。
 実は、放送局名も番組名も放送日もメモしていなかったのですが、こうした長時間の現代音楽のプログラムはNHK-FM以外には考えにくく、また "Tehillim" が終わったあとに、近藤譲さんの解説があることから、NHK-FMの番組であり、クラシック枠は番組名がいろいろ変わっていますが、この時期であれば、「FMクラシックアワー」であろうと考えました。見切りです。放送日は、曲目ノートにつけている前後のカセットテープの内容から、1982年春頃だと思われます。

 そんな訳で、"Music For 18 Musicians" を50分、通しで聞きました。120分テープ(片面60分収録可)でエアチェックしました。半分のところでフェイドアウト/フェイドインしないというだけのことですが、感激しました。しかし、120分テープは、薄いため、切れたり、テープレコーダーに巻き込まれる可能性が高く、繰り返し聞きには向いていません。50分の「完走」版を保存する方法は当時はなかったのです。しかたなく、数回通しで聞いて、心に刻んでから、50分テープに、半分のところでフェイドアウト/フェイドインさせて、コピーしました。当時のLPと同じです…。

 「ニュルンベルク国際オルガン週間」も、「バイエルン放送 ムジカ・ヴィーヴァ」も、長く続いているイベントですが、1981年の演奏情報を、ウェブ上で見つけることができませんでした。"Tehillim" は、もしかしたら初演なのではないか、クラシック音楽の世界では初演 (World Premiere) は特記されるべきものなのではないかと思うのですが、不明です。[2024年2月17日追記。IRCAM(フランス国立音響音楽研究所 Institut de Recherche et Coordination Acoustique/Musique)のサイト「RESSOURCES.IRCAM」によれば、version for voices and ensembleの初演は1981年9月20日、ケルンとのことです。]

 冒頭の画像は、トリオレコード制作部洋楽課編集発行のECMレコード10周年記念冊子(1979年)から、Steve Reich "MUSIC FOR 18 MUSICIANS" (ECM 1129) 日本盤のカタログ掲載ページです。"TEHILLIM" もECMからリリースされますが、この冊子の時点ではまだです(Steve Reich "TEHILLIM", ECM 1215, 1982)。「ECM 10th ANNIVERSARY 1979」は、雑誌「ユリイカ」「カイエ」の広告として発表された作家、詩人、俳優らによるECM作品についての再録エッセイ、評論家によるECM概要、主要ミュージシャンのプロフィール、フルカラーのカタログ、番号順のディスコグラフィ(その時点での最新はECM 1155, Pat Metheny Group II "AMERICAN GARAGE")を掲載した116ページの冊子で、「愛読書」のひとつです。

TRIO RECORDS "ECM 10th ANNIVERSARY 1979" (1979)

 余談。Steve Reich "MUSIC FOR 18 MUSICIANS" (ECM 1129) のCD版は、途中でフェイドアウト/フェイドインすることなく、通しで聞くことができます。「CD化」されてとてもうれしかったアルバムのひとつです。むろん、デジタルデータ保存が可能な現在では、各種配信でも、YouTubeでも、途切れることなく1時間でも2時間でも聞けるのですが。

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