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はたらく現場

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喪に関わるひとたち編(霊柩車の工場の職人さん、墓じまいを任される石屋さん、ホテルマンのように自宅のお葬式を取り仕切るひと、若い女性納棺師さん、きびきび祭壇の花を飾るひと、、、)
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#社会科見学

キャッチボールしたい石屋

「40㌔ぐらいの重さかな。手で抱えて入れようとしたら、コツンとあてちゃったんです。下の部分ですけどね、当てたのは。そうしたら対角線上の上の部分が、パチン!」  松本高明さんの本業は、墓石の販売と設置だ。 ●前回「墓じまいの現場ルポ」を読む☞ココ 「ゲンバビト」という「墓石」に関わる仕事人を特集したテレビ番組を見た際のこと、いくつもの工程を経て完成された墓石を霊園に設置する。その場面に見入ってしまった。  炎天下にクレーンを用い、美術品のようにゆっくりゆっくり、墓石を慎重

「お墓じまい」を見学

「墓じまい」をすれば、要らなくなった墓石はどうなるのだろうか?石屋さんに訊いてみました。 「センセイ、あそこに見えるのがジョン万次郎のお墓です」  運転席の松本さんが、左手をちらりと見る。  ジョン万次郎?  助手席の編集者Fさんが、アメリカに渡ったひとですよ、という。すごいですねぇとカメラマンの山本さんが応じる。 「ああ、まんじろう……」  こたえはしたものの、車中の会話にひとりだけ入っていけずにいた。アメリカに渡ったのに、お墓がなんで東京都内の雑司ヶ谷にあるのか……。言