知と愛

序盤3〜4,中盤2〜3,終盤4〜5

ゴルドムントとナルチスの対話がとても面白かった。序盤の2人の対話ではナルチスは遥か高みからドルトムントを芸術家への道へ導く。放浪の時を経て帰ったゴルトムントは芸術家としてのレベルが、ナルチスの思索家として同等の域に達していた。別々の道を行く二人が互いに同じレベルで対話をする事で一人では気付き得なかった事に触れる。ナルチスは初めて友を持った、その素晴らしさを身に沁みて感じる。

序盤ではナルチスの知見に感嘆し、中盤の放浪では長く読むのに耐えきれない部分もあったけどゴルトムントの過程を考えれば仕方がなかった。終盤の二人の対話の為に自分の中では死んでいた中盤が生きた。

知と愛、いいタイトルだと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?