色づき

理想を追いかけて歩いてきたはずなんだ
無我夢中に
重くなって行く足どりは力不足の証明になってしまうから

見たこともない世界が広がっていて

僕はいつ道を間違えてしまったんだろう
真っ暗で途方に暮れた

どうしようもないこの先に進めないまま
歩くことをやめて
ひたすら泣いて
痛んだ心臓を取り出して
震えた息を吹きかける

僕なんかよりよほど元気そうに脈打つ
それになんだか虚しい気持ちになって

だぅく、だぅく、だぅく…

僕のそれを隣に置いて


空を見る


動き続ける雲
変わり続ける白

空のグラデーションと
僕のグラデーションは

重なることはなかった

空の方がよほど純粋で綺麗だった
僕は色あせた錆び付いてる


だから僕はそちら側にはいけない
僕は空から距離をおいて
この鈍感な心臓を取り出して
息を吹きかけることしかできない

この心臓を手放したらきっと飛び込んでいける

あの空の綺麗なグラデーションと
僕が綺麗に馴染んで

色づき

穏やかに流れて行くんだ


ものくろ