ついに出る! 「小林信夫の模型世界」

 以前、小林信夫さんについては書いた事があった。

 ただ、小林信夫さんの記事って、雑誌連載やカタログのおまけみたいなものだったので、「いつでも買える」というものではなかった。

 それがついに書籍で出るのである。機芸出版社から「小林信夫の模型世界」が。

 まだ本自体は出ていないのであるが、目次から類推するに、今回は「まず1冊目」であり、「好評なら続編も」という事なのだろう。そうに決まっている。

 ボンネットバスの、時代による形態の変化についての記事があるのだが、これは、鉄道よりむしろ「高速有鉛系」「糸目姐さん系」「北吉津方面隊」の方々にアピールする部分が大きいと思う。

 これで「ボンネットバス」とひとまとめにしていたものが、非常口の変遷、リアが職人の手叩きからリアエンジンバスのようなプレスになるなど、見た目で何となく年代が分かるようになるのである。多分。

 今回は載ってないようなのだが、近鉄のビスタコーチや北村ボデーの四角いバス、そしてこれぞ小林信夫の「3輪バス」も元ネタの連載にはあるので、続編に期待がかかる。読みたい人はこれを買って要望を版元に送ろう。SNSじゃダメだ。

 また、今回載っているバス停やガソリンスタンドの記事も、ミニカーのディスプレイに役立つはずだ。

 そして、「西武レッドアロー誕生秘話」、これはSFである。旧プロジェクトXが好きな人は多分ハマる。SFであるからウソが入っているのだが、よく知らないとどこがウソか分からない。ちゃんと下敷きになっている話があるのだ。

 SFというと、瀬戸内海の弱小私鉄が子供たちの為に「新幹線」を走らせる話も傑作なので、次回はぜひ載せて頂きたい。

 小林信夫さんと言えば「零戦を黄色に塗ってテキサン練習機に見立てる」話を思い浮かべる人も多いと思う。ヤボは承知で説明すると戦争映画ではこの逆、テキサンを灰色に塗って零戦に見立てる例がよくあったので、そのパロディなのだ。
 今では自衛隊の1/144テキサンも一時期食玩で出ていたので、まだそこそこ手に入るんだから、時代は変わったものだ。

 今回の本にも空港施設に関する話はあるようなので、T-6テキサンやC-46、C-47、セスナ機、ヘリコプター等の1/144モデルをそれらしいジオラマにディスプレイしたいけど、本格的な航空雑誌は難しいという人にも、参考になると思う。

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