トムとジェリーの真ん中の話

 その昔、夕方にアニメの再放送というのがよくあって、「トムとジェリー」はその定番だった。もちろんそれ自体傑作がかなりあるのだが、間に挟まって放送された作品も面白かった。

 単独でも人気があった「ドルーピー」は閉じ込めても脱出し、地の果てまで追いかける能力のある犬が主人公で、自分の好きな音楽の布教をすべく、移動販売車や猿回し(アメリカにもあるんだ)、メリーゴーランド等でかかっているレコードを勝手に入れ換えて、その場をめちゃくちゃにする「デキシーランド犬」とか、普段と違う悪玉になる「いたずら教室」が良かった。一緒に出ているオオカミの口笛も独特の寂しい雰囲気がたまらなかった。

 これも人気があった「くまのバーニー」はフクロネズミを食べようとして逃げられ続けたり、ビーバーに小さな親切(大きなお世話)をして、とんでもない状況になったり、リスの家になっている木を悪気はないのだが破壊し、最後には仕返しされたりという気の良い熊の話だった。

 自分が特に好きだったのは単発の作品で、セダンの子供に生まれスポーツカーに憧れる「ぼくはスポーツカー」とか、レシプロ機夫婦に生まれたジェット機が活躍する「ぼくはジェット機」等だ。

 他にも未来の自動車、家庭用品、テレビ、合成生物、身近な珍発明等の話も面白かった。
 この辺は1つのテーマから「お話」をまとめる上でも参考になりそうな気がする。
 馬券を買いたくなったらキャビネットを開ければそこに売り場があるテレビなんて、「電話で買うんじゃないのかよ」と思える所込みでおかしいし、テレビCMがうざいからディスポーザーで吸いとってしまうなんて、よくテレビで放送できたものだと思う。 

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