アニメ思い出し語り 23 怪物くん(新、あるいはカラー版)

「藤子不二雄劇場」の文字とともに怪物3人組の美化されたポートレートが映し出される。

「さあ、始まるザマスよ」
「行くでガンス」
「フンガー」

 OP(初期)は怪物ランドから人間界への怪物くん達の道中を追ったものである。
 後で怪物くんがもらうはずの魔法のほうきに既にこの時点で乗っているのが、考えるとおかしい。

 自分にとって「怪物くん」というとこれになる。原作に近いが、色々細かい所が変わっている。

「怪物くん対押し売りくん」原作には未成年の飲酒を思わせる「兄ちゃんも一杯やっか?」があるが、さすがにまずかったのか、「ファイトー! いっぱーつ!」に変わっている。この場面で怪物くんが飲んでいるのは化粧水だ。

 ペット怪物ゴロニャーン(CV滝口順平)はあの声で「ゴロニャァァァン」って言う所で爆笑。あと「チンチン」とも言う。ヒロシのお姉さんが気絶すると「ネンネンヨー」とか言っていた。
 その容姿をかわいくしようと「耳」を探すオオカミ男とドラキュラ、深夜営業のスーパーを見つけたドラキュラは「開いてて良かったザマス」と言う。当時結構流行った言葉だ。
 特番でゴロニャーンについて語る怪物くんの、「ドラえもんに似ていたぞ」はちょっとひどいと思う。

「おしゃれ怪物」で怪物デザイナーのピーコック氏は人間世界のP・L・カルダン氏と会うためにやってくる。ドラキュラが持っているピーコック氏の「P」の入った服はパンツぐらい。
 怪物くんは服を作ってくれるよう頼むが、原作のぶっとんだ発想ではなく、ひどく地味な服をデザインする(しかしこのオチはどこかおかしい)。

 ギャグだけでなく怖い話もある。「太平洋上の一匹モンスター」では、流れ着いた宇宙怪物の島を最後に破壊する怪物くん達だが、そこから種が流れていき、「椰子の実」をみんなで歌う。あれ? これってまだ続くって事?

 人間の欲望とも関わるホラー調の話はデモーニッシュとの戦いでいくつも出てくる。この辺は原作通り。「本体は人形の方だ!」のパターンを自分が知ったのは「怪物くん」だったのだ。

 ハニワくんが変身する話など、原作や旧アニメの頃はみんな元ネタを知っていたが、この作品の世代の子供はあまり知らなかったりする。ガメロやガメルだってよく知らないだろう。しかしその辺は説明なしにそのままである。

 もっとも、知らなくても楽しめたのだが。

 映画版の「あらわれたーまえ ゴーレムよ」「怪物王子を倒してちょーだい」の物真似をする同級生がいたなあ。

サポートありがとうございます。 はげみになります。