ソニーのあるべき鉄道模型とは

 あの「世界のソニー」がソニーマイクロトレーンという(今で言う)Nゲージの鉄道模型を計画していた。

 昭和39~40(1964~1965)年の事で、試作された客車は国鉄客車スハ43のショーティー、動力車であるED75は台車の首振りが克服できなかったのか、軸配置は1―B―1だった。

 このタイミングはアーノルトやミニトリックスの製品はあるが、リマ、リバロッシ、バックマンは参入前である。
 ソニーが参入していたら、ブランドとしては多分その後「ソニックス」とか「ソニーテック」になっていたのではないかと思われる。
 どのような製品が出されるのが妥当だったのだろうか。

・アメリカの流線型ディーゼル機関車

 EMDのEシリーズ、Fシリーズなど。アニメ映画「魔女の宅急便」の始めの方にも出てくる。初期メーカーではアーノルトが出している。
 アーノルトの台車首振り機構をリバースエンジニアリングでパクれば、内部の空間の広さは動力を入れるのに有利だし、プロトタイプの知名度、アーノルトに対しては円が安いから相対的に製品価格も安くなるなどで結構売れたと思われる。

・自由型(アメリカ型)モーガル、プレーリー、テンホイラー、コンソリデーション等

 日本でもアメリカ製の蒸気機関車は使われ、北海道の炭鉱などでは、かなり後まで残っていた。弁慶号より大きいサイズの機関車で、本家のアメリカと比べればテンダーが短い位である。
 ならば、これらを模型化すれば、日本とアメリカの両方に一応プロトタイプがある事になる。ましてやこの時期、日本では(1965年には本格的ではないが)「SLブーム」を控えている。
 問題は先輩によると「蒸機はタイヘン」という事であるらしい。その後のNゲージの歴史を知っていると、関水のC50からアリイの9600まで、いとも簡単に製品化してしまっているように見えるが、難しいものらしい。
 テンダードライブでも良いから、出て欲しかったとは思う。

・ED14

 カワイモデルが出していた。なぜED11じゃないかというと、台車の都合だ。もともとALCOとGEで作られている。B―B―BもC―Cもいる。ただ、アメリカでは電気機関車は一般的ではないらしい。

・RDC

 Buddのステンレス製ディーゼルカー。縮尺は違うがライオネルが出していた。ウォルサーズもある。今ではNゲージでKATO USAから出ている。当時ならもっと短めだろう。

・DD12

 進駐軍の持ち込んだディーゼル機関車。もとはアメリカ製。しかし下回りの伝動は、そのままでは難しいかな。試作品のような1―B―1ならば出来るだろう。

・DD40
・DD41
・DD42

 保留

・DD13

 関水もトミーも作った。

・DD50

 箱型のスペース一杯に動力が入るが、プロトタイプが1両では列車をうまく引けないのでダミー(トレーラー)を連結しなきゃいけない。

・DF50

 アメリカン塗装も意外に似合いそうなんだが。

・DD20

 マイナー機である。しかしL型(エンドキャブ)のDDというのは世界中にいる。ミニトリックスも作っている。

・DD54タイプ

 史実ではその後、永大が出している。

・東急7000

 おいおい。ではあるけどBudd―INTERURBANとか言って出していた可能性はある。コルゲートは塗装かもしれない。次に述べるように「メイドインジャパン」の宣伝として出していた可能性もある。

・日本型電気機関車(ED76やEF80など)

 これには意図がある。史実では(少し後になると思うが)南米やアフリカ大陸向けに日本の電気機関車にそっくりなディーゼル機関車が輸出されているのである。ソニーとしてはある意味ライバルたる電機メーカーの製品だが、海外向けにはディーゼル機関車仕様にして「メイドインジャパン」の宣伝の片棒を担いでも、さほどおかしい事ではない。

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