ワキ8000・ワサフ8000

 かつて存在した国鉄の荷物列車は、駅の窓口で渡せるくらいの小口の荷物を運んでいた。しかし、輸送する量が多い路線となると、大口の輸送で使う貨車を使った方が良いんじゃないかという場合があった。

 そこでパレット輸送用の高速貨車ワキ10000と同じ構造の荷物車が作られた。これがスニ40で、以降その派生形式も含めて増備されていく。
 車掌室と貴重品輸送等のスペースの付いたスニ41、全長を伸ばしたマニ44もあった。

 シャッター式のカニ38より現場では使いやすかったとも聞いた事がある。

 そして、その構造から、荷物車としても貨車としても使えた方が効率的という考えから作られたのが兼用車のワキ8000、ワサフ8000だった。スニ40とは全長が少し異なる。ワサフ8000には後部にオープンデッキまで付いて、本当に貨車然としている。貨車なのだが。
 利用者としては、荷物車は駅の窓口で預けるが、貨車は駅前の日通で預けるぐらいの違いである。

 兼用と言いつつ、実際には貨物列車に使われた実績は無いそうだ。

 国鉄の荷物列車が無くなるとともに、ほとんどの荷物車は廃車になっている。

 もったいないと思うが、その後の荷物・貨物輸送は宅配便やコンテナ輸送にシフトしていくので、大型有蓋車としても長生きできなかったような気がする。

 ツイッターに投稿された画像に、オハフ50の後ろにワサフ8000他の荷物車が多数連結されたものがあり、「混合列車!」と言われたが、実際は「荷物車の比率がやたら多い客車列車」であり、旅客輸送より荷物輸送の多い路線ではあり得る組み合わせであった。

 なお、スニ41やワサフ8000は20系客車による寝台急行にも連結されて使用されている。

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