熊の子見ていただけではないのである

 土曜夜7時から放送されていたアニメ、「まんが日本昔ばなし」のエンディング、自分にすごく印象に残っているのは、ピンク色のよく分からない生物が出てくる物である。

 おそらくこれが最も初期であろう。

 昔のマンガに出てくる「ぶん殴られた人の顔」みたいな姿で、歌詞に合わせてタコのようになったり、ふくれたり、折り畳んで座布団みたいになったりする。

 この、よく見りゃ見るほど分からない、分からないから気にかかる生物は「グルッパー」というらしい。

♪グルグルパッパのグルッパー
♪グルグルパッパー グルッパー

 という歌詞の「グルッパーの歌」なのだが、作詞は川内康範。一部では「耳毛の先生」として知られる、月よりの使者「月光仮面」の原作者である。

 これと入れ替わりで流れていた「ジャンケン ポン」もやはり作詞は川内康範であった。

♪ジャンケンポイよ あいこでしょ
♪グーチョキ グーチョキ グーチョキパー

 という歌い出しだが、「グーはパーより弱くって~」の所、先代のワカメちゃん、そして先代のしずかちゃんの野村道子の声じゃないかなあと思うのだ。

 このアニメで語りを担当する常田富士男が歌う「トッピンからげて逃げられて」も印象深い。
 この曲自体が懐かしい、昭和の頃にはまだあった情景が浮かぶような内容だ。少し寂しい戦前の童謡のようでもある。

 おそらくこの曲名は、昔話の終わりにある「とっぺんぱらりのぷう」(意味は無い)あたりから由来するのではないかと思う。
 季節によって歌詞が変わるので、4番まであるんじゃないかと思う。

 そして「かあさん」も印象に残っている。これは作詞作曲が川内康範。なるほどと思った。「母親への感謝」というのはこの人のテーマなのだろう。「おふくろさん」では森進一と揉めていたが。

 他にも「ほしさがし」、「みんなでおたんじょうび」等、「まんが日本昔ばなし」のエンディングには面白い曲があった。決して「にんげんっていいな」だけではないのである。

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