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とんかつ屋の夜は早い。いい肉の日を思いだして

午後9時、大塚。池袋でお目当てのハンバーガーを食い損ねた。仕方がないので、隣にあった「焼きそばは飲み物」にて、飲み物だけをいただいた結果、ぼくのおなかは満たされることなく、やっぱり食べ物じゃないと!と反省する。
週末の喧騒を止めない、池袋の街を闊歩して何か食べるものはないかと、訪ね歩く。
そのうちに20時半を過ぎて池袋駅前で、ふと大塚のぼんごでおにぎりを食べればいいんだ!と山手線に飛び乗る。隣駅である大塚駅までのわずか数分の間に、今日が11月29日であることに気づく。いい肉の日じゃないか!

言い切ってしまえば、大塚駅はほぼ飲み屋街だ。ぼんごもおにぎり屋なのに日付変わるまでやってるし。なので、とんかつ屋も22時までやっている。そう、かつては北口側の大人の歓楽街エリアにあったあの店なら。
駅の反対側に移転して、訪問していなかった。

とんかつ「逸業」

南口出たすぐ正面の路地にラーメン屋か蕎麦屋のカウンターをそのまま活かしたような店内は、奥にテレビがあり、その真下にカップルが仲良く食べている。隣には詰めずど真ん中に座る。テレビの音は小さめだった。

ネット調べだがご主人は目黒の「かつ壱」出身らしい。なるほどあの店も安くて美味しいが信条だし、立地より味だよなーと思い出す。

上ロース定食1800円をオーダーし、フライヤーに肉を流すと、店主はテレビを見ている。揚げの音も聴きながら、タイミングよく引き揚げる。ぼくにとんかつが提供されると同時に、のれんを下げる。ラストオーダー21:30か。

きれいにロゼを残した断面から、耳で揚げる技術を持っている事が分かる。そのままパクリ。

薄く味がついていて美味しい。肉質もよくて、コロモもはがれない。肩ロース付近のかみごたえもある。立地と店の雰囲気で侮ってはいけない。やっぱり美味しいのだ。卓上には塩、醤油、ソース。東京のとんかつ屋の王道のソースだ。アサリの味噌汁もお漬物も東京とんかつど真ん中。

美味しいものをコスパよく食べさせる。若い店主がこの先ここで長く続けてくれる事をのぞむ。

夜21時に、とんかつからのおにぎりが可能な街。それが大塚だ。

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