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晩秋の頃に亡くなった猫のこと

ちょうど今頃の季節。秋から冬に移り変わり、だんだん寒くなると思い出すことがある。当時、ちょうにゃんのカムイが亡くなって10月28日で一周忌となる頃。仲良しだった実の兄に先立たれ、ひとりになってしまった、じにゃん(ワカン)。寂しそうにヒトのそばにいることが増え、一緒にいる時間をよりたいせつに過ごしたいと思っていた。

2014年のワカン。箱ティッシュは標準サイズです

今から5年前の2017年10月20日、散歩中ふらりと立ち寄った雑貨屋さんの店頭に、よさげな猫ベッドが並んでいるのを発見。よさげな、というのはパステルカラーではない、かわいすぎない、ださくないもの。完全に私の都合である。衝動買いしたい思いをぐっとこらえ、いったん帰宅してタロットカードで占ってみた。

【ペンタクルの5】

ペンタクルの5か。病気で貧乏カードだ、ヤだな。買うのはやめたほうが良いということだ。

────どうにもならない現実が目の前に迫るけど、何かしたくても何もできないよ。ただ耐えるしかない────

カードの結果が気になりつつも、その場で衝動買いを踏みとどまった自分えらい、と思ったり、買ってきてもワカンに気に入ってもらえなくてツライ思いをするのかも。無駄遣いって意味もあるし。。。その程度にしか考えていなかった。

ところが、カムイの一周忌となる10月28日を過ぎた頃からワカンの足腰が急激に弱々しくなってきた。
日向ぼっこに飽きてベランダから部屋へ戻る2~3センチの段差すら越えられない。ピーク時には11kgほどあった大きな猫を支えるには、すっかり筋力が低下してしまっていた。

実際、14歳10ヶ月の老猫なのだから、ヒトに換算すると75~76歳のおじいちゃんってことになる。当然、バリアフリーでないときびしいのはわかる。
が、ふわふわでツヤツヤの被毛に少し白く濁ってきたビー玉のような丸い瞳からは老体であることをうっかりしてしまう。

猫はヒトを眠りに誘ったり、魔力みたいなものがあるのではと思っている。しかも長年生きているんだから、すでに何かしらの妖力は備わっていそうだ。

見た目はまぁまぁ若いのによぼよぼな動きをした巨猫は、それから日に日に動けなくなっていき、11月5日の晩、亡くなった。フェイドアウトと言ってもおかしくない、教科書に載りそうな老衰だった。

ここで先日の、猫ベッドを買ったらどうなるの?    に対するタロットカードのメッセージを思い返す。
ああ、こういうことか。。。

2012年6月、カムイをアログルーミングするワカン

毎年、鮮明に思い出すことが、ふたりへのご供養になっていると良いなと思う。

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