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法律の勉強はけっこう面白い

法律の勉強はけっこう面白い。資格試験だけど。


昨年も同じように最初の試験予定日間際に過去問一回目が終了。毎年同じことを反省していて笑ってしまった。全然反省していない、学習していない。受験二回目とは言え今年もスタートが1月半ば。やはり微妙に間に合わなかったか。今年は中間試験にして来年に二次も合格を狙うことに傾きつつある。


今年は昨年のこの4冊の過去問(20cm厚さ)に加えさらに昔の過去問を理論と行政法規それぞれ2冊買い足した。理論は行政法規と違って原理変わらず古びずまあ大丈夫。試験範囲の法規もそう滅多に変更のなさそうな法律ばかり。自然公園法とか森林法とか、マンション建て替え法とか、土地収用法とか、河川法とか…一度決まったら早々に変わらない。だから古い過去問でもよかった。


ところが、目まぐるしく変わる法律がある。建築基準法。宅建でも出るんだけど、出題の細かさが全然違う。改定で基準の数値が倍も変わり、正解の言い回しも同じ内容でも変わる。建築基準法は、数多く出題されるから、改定した建築基準法を現役ベテラン建築士達が解説した本を別に読み学習した。


非常にわかりやすく、ベテラン建築士達が本来あるべき理想の法律についてをも語り、なぜ建築基準法の改定が多いのか背景がわかった。そもそも建築基準法の言い回しや条件がすごく緩くて、他の法律と毛色が違っていたので学習がしにくかったこともある。法律なんだから決めつけてほしいのにと思っていた。


法律の改定の背景を知って、とても感動してしまった。そうだ、私はそう言えば法学部出身だった。


土地、不動産、町、建物を防災の観点から、大きな災害が改定のきっかけになり、都度、基準を見直してきた。阪神の震災、東北の震災、熊本の震災、長野の震災、西日本の豪雨。災害大国では建築基準や開発基準はその都度見直され、災害に強い建物や土地、町を目指してきた。それを支える防災の技術も建築の素材も土木の技術も日進月歩で法律の水準を引き上げた。


毎年想像を超える災害が起きる。だからといって、厳しく堅い基準のままでは町は発展しない。防災の技術は進歩しており、ある程度被災から回復したら、地域の条例に委ねて、柔軟に発展の後押しをする。こうでなければならないという基準で水準を引き上げたら、次は進歩した技術が使えることを前提に条文が広がりをもつ。締めたり緩めたり。


法律は生き物のように、社会とともに進化していて、こうあらねばならない固定したルール集や絶対的なバイブルとしてとらえるより、現実の社会と近未来をよりよい方へ導く羅針盤ととらえると理解が深まるんだな。


無味乾燥で冷たく感じる条文は、人の暮らしを守る盾であり、一緒に歩む力強い…なんだろう、とても身近に感じた。


法律の学習はけっこう面白い。暗記は苦手だけどね。

今年はもう遅いので来年まで一年間楽しんで学習しよう。

法律の見据える社会の有り様は、私たちが作るのだということも忘れずに。